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2013年3月5日

3.11の苦い教訓、“高さ示さぬ”速報の狙い

3.11の苦い教訓、“高さ示さぬ”速報の狙い

3月7日から気象庁の津波情報の出し方が変わる。新たな“津波速報”の柱は2つ。マグニチュード8を超える巨大地震の場合、3分以内に出していた津波の高さ予測は出さず、『巨大』『高い』などと表現する。さらに、沖合に設置された津波計を使って、どこで津波が観測されたかを速報する。ともに東日本大震災の苦すぎる教訓を踏まえたものだ。津波の観測体制と情報の出し方について、山口アナウンサーが取材した。

2年前の3月11日、大地震の発生から3分後に出された津波の予測は、岩手と福島では3m、宮城は6m。しかし、実際には10mを超える津波が押し寄せた。このとき気象庁は、地震の規模をマグニチュード7.9と過小評価して、そこから津波の高さを予測。実際のマグニチュードは9.0だった。この差が、避難を遅れさせ、被害を拡大した。低すぎた高さ予測だが、修正のチャンスはあった。岩手県釜石の沖合約80kmには、津波の高さを測定できる東京大学などの海底圧力計が2つ設置されていた。地震から15分後、震源に近い圧力計が巨大津波を捉え、データを気象庁へ送っていた。異変に気付いた気象庁の職員が上司に報告したものの、上司がこれを確認することはなかった。当時、気象庁のマニュアルには、海底圧力計を使うことは入っていなかった。気象庁津波予測モデル開発推進官の尾崎友亮氏は「当時、余震も多発していて、色々な作業が発生していた。どういう作業をするのかは、あらかじめ決めておかないと実際のところ動けない。沖合水圧計については、ルールが決まっていなかった」と話す。

東京大学の海底圧力計が巨大津波を捉えた約10分後、岩手県大槌町の沖合約30kmの海域に設置されている国土交通省のGPS波浪計も巨大津波を捉えた。気象庁は、これをきっかけに岩手と福島の津波予測を2倍の6mへ、宮城を10m以上へと更新した。しかし、時すでに遅かった。あれから2年。気象庁は、巨大地震の第一報での津波の高さ予測を断念した。尾崎氏は「マグニチュード8を超える巨大地震で襲ってくる津波の高さ予測は、地震から3分段階で何メートルと確定的に言うのは、現在の技術では無理」と率直に話す。一方で、沖合での津波の観測を重視する。新たに設置したブイ式海底津波計や、当時、活用できなかった大学の海底水圧計などを駆使していく。さらに、観測網を充実させるため、壮大な計画も進んでいる。

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