

2013年3月14日
福島県の各所で行われている除染。福島市は、あと3年で市内のすべての除染を終わらせるとしているが、いま新たに深刻な問題が起きている。大波地区は、高線量のホットスポットとして、いち早く除染が開始され、去年9月には、すべての住宅除染が完了した。しかし、住民が独自に各地の放射線量を測ると、再び線量が上がっていることが判明。排水溝周辺では10マイクロシーベルト、空間線量でも2マイクロシーベルト以上のところがあった。国は、除染後の住民の年間被ばく量を、国際基準で最も厳しい1ミリシーベルト以下と決めた。そのためには、空間線量を1時間あたり0.23マイクロシーベルトまで下げる必要がある。なぜ、除染しても再び線量が上がるのか。政府の原子力災害調査チームに参加する星稜女子短期大学の沢野伸浩准教授は、「大波地区は裏山に非常に汚染の高いところを抱えている。強い雨が降ると表面が流れて、結局、人的に除染したところ(住宅地)が、また裏山の汚染により再度汚染されてしまう」と指摘する。現在、山林の除染は、国の方針で住宅地から20mに限られている。福島県内で除染作業を請け負う建設会社の役員も「山から除染しないと、下をやっても意味がない」と指摘してきた。福島市も事態を重くみて、さらに広い範囲の山林除染を求めているが、住宅から20m以上離れた山林の除染は、国がガイドラインで認めていないため、補助金が出ない。環境省・福島再生事務所福島除染推進チームの小沢晴司次長は、「山林除染については議論が必要。除染後の再上昇は、いろいろなファクターが働く可能性がある。丁寧に数字を見ていく必要がある」と話す。
現在行われている住宅周辺の山林除染にも問題がある。実は、その作業単価がかなり低い。国の規定では400平米の一軒家を除染して70万円、山林は1haあたり60万円。つまり、単純計算で1平米あたり住宅は1750円、山林は60円という単価になる。今年初めに明らかになった“手抜き除染”。除染作業員は、「作業に見合わない低い単価が原因なのではないか」と話す。県の7割が山林だという福島県。経産省所管の産業総合技術研究所の中西準子フェローは、国とは別に独自で、山林除染費用を試算。福島県が実際に行った除染費用を参考に、除染ゴミの管理費や中間貯蔵施設の建設費なども盛り込んで計算。
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