

2013年7月29日
カネボウが販売する一部の美白化粧品を使った人から「白斑」と呼ばれる、肌がまだらに白くなる症状の被害報告が相次いでいる。カネボウによると、今月19日の時点で、被害を訴えているのは6808人。そのなかで、体の3カ所以上に白斑ができたり、白斑が5cm以上になるなど、重い症状が出ている人は、2250人にも上る。カネボウは、まだ因果関係は、はっきりしていないとしているが、今月4日、『ブランシールスペリア』など、関連が疑われる8ブランド54の製品の自主回収を始めた。カネボウの美白化粧品を使っていた65歳の女性は、「白くなったところが、太陽光にあたると痛い。やけどしたみたいにヒリヒリして痛くなるから外に出られない状態。最初は、年齢的なもので、老人性白斑かと思った。だから、その後もずっと化粧品を使い続けた」と話す。カネボウが問題を認識したのは今年の5月。皮膚科医から「患者3人に白斑の症状が出ている」という連絡を受けたのがきっかけだった。女性は、「もっと早く公表して、販売するのをやめてほしかった」と話す。
今回、自主回収が行われている化粧品には、カネボウが独自に開発した美白成分『ロドデノール』が配合されている。ロドデノールは、シミなどの原因となる“メラニン”が作られるのを抑える効果があるという。本来、メラニンは、紫外線から遺伝子を守る役割を担っている。そもそも、人の肌の色が濃くなるのは、体内にある細胞“メラノサイト”が紫外線などによって酵素の働きを活発化させ、メラニンを作り出すからだ。ロドデノールは、この酵素の機能を抑えたり、その数自体を減らす効果があるとされる。大手化粧品会社で美白の研究を行ってきた東京工科大学・応用生物学部の前田憲寿教授は、ロドデノールの構造が、過去に白斑を引き起こしたことがあるフェノール系化合物に構造が似ている点を指摘する。前田教授は、「1960年〜70年くらいに、化学反応中の原料によって、顔とか手に白斑が起きるということが、主に化学工場で起きていた」と話す。この点について、カネボウに聞くと、フェノール系化合物にはかなり種類があり、白斑を引き起こすものがあることも認識していたという。ただ、ロドデノールについては、過去に白斑を引き起こしたフェノール系化合物とは異なり、安全性の確認を行ったうえで問題がなかったことから、今回のような事態を想定できなかったとした。
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