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2013年8月8日

被爆二世の願い、そして未来

被爆二世の願い、そして未来

全国で30万人とも50万人ともいわれる被爆者の子ども「被爆二世」の人たち。しかし、国による正式な調査が行われていないため、その実数は、わかっていない。放射能の見えない恐怖に向き合う被爆二世。自分自身の健康と、自分の子どもたち“被爆三世”への影響など、さまざまな不安を抱え生きている。

夏になると、被爆者である母親から原爆の話を聞かされ、“夏”が嫌いだったという被爆二世の高校教師・畑井克彦さん(57)。「生きている人間にうじがわいたとか、うじが動き、かゆいので、それを箸で取ってあげたとか、あまり聞きたくないことを、夏休みの間、ずっと聞かされて、本当に嫌だった」と話す。母親の茂子さんは、原爆投下直後、救護活動で広島に入り、被爆した。4年前、茂子さんは他界。生前、手足のしびれなど体調不良に悩まされていた。畑井さん自身も、8年前にがんが見つかり、4度の手術を繰り返している。畑井さんは、「今の医学でいえば、遺伝と認めるのは難しいと医者に言われた。受け入れざるを得ない。明日、目が覚めない可能性もあるから、今日が勝負と思って生きている」と話す。

現在、国の被爆二世に対する援護策は、年に一度の健康診断のみ。国は、“放射能の遺伝的影響は認められない”という立場にあるため、仮に重い病気になっても一切、救済の対象とならない。しかし、マウスによる実験では、放射能による健康被害が遺伝的影響として起こり得ることが明らかにされている。45年にわたり、マウスで研究を行ってきた大阪大学の野村大成名誉教授は、「いったん親マウスが被ばくすると、2世代、3世代と高い頻度でがんが出る。調べた限り、すべての生物に遺伝的影響が起こっている。その時、必ず付けられるのが、except human=人を除くすべての生物。人間だけが放射線に被ばくして、子どもに遺伝的影響が出ないなどあり得ない」と話す。また、広島大学の鎌田七男名誉教授の研究チームは、去年、『父母のどちらか被爆した人よりも、両親ともに被爆した人の白血病の割合が高い』という研究結果を発表した。研究チームは、広島への原爆投下から10年以内に生まれた被爆二世、約6万3000人を追跡調査。「両親ともに被爆」した人の白血病発症率は、「父親のみ被爆」に比べると、5倍以上になったという。

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