今月もこれまでに放送した世界中の鉄道から、選りすぐりの回を再編集した特別編をお送りします。はじめは、北アフリカのモロッコ国鉄。赤い城壁の街マラケシュから大西洋沿いの商業都市カサブランカまで、乾いた大地を駆け抜けます。夏のイタリアでは、斜塔で有名なピサの街から各駅列車を乗り継いで、リヴィエラ海岸を走ります。スペインの首都マドリードからは、内陸部ラ・マンチャ地方を南下。風の強い大地に立つ白い風車が車窓に流れていきます。南米大陸からは2つの絶景路線が登場!エクアドルでは、バスのようなディーゼル車両”レールバス”で、険しい断崖絶壁を走り、”悪魔の鼻”と呼ばれる岩山を目指します。ボリビアは、急行列車に乗ってウユニ塩湖へ。アンデス山脈の懐に広がる標高3700メートルの高原を走り、広大な塩の湖を訪れます。イスラム教の厳格な教えが守られている、中東サウジアラビアの鉄道。首都リヤードからペルシャ湾まで、荒涼とした砂漠を走る列車の中には、礼拝専用のスペースも設けられています。ハンガリーではプスタと呼ばれる大平原をローカル列車で疾走。沿線の世界遺産ホルトバージ国立公園では、ハンガリー固有の希少な家畜が保護され、民族古来の文化が大切に受け継がれています。心地よい風を受けながら緑の田園地帯を快走するのは、バングラデシュ北西部のローカル列車。車内販売の本屋さんや屋根の上の乗客など、ユニークな光景に出会います。森と湖の国フィンランドでは、東部の湖水地方へ。濃淡様々に色づく木々と水面の織りなす絶景が広がります。美しい風景と異国の人々の営みに出会う“世界の車窓からベストセレクション”を、どうぞお楽しみください。