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ポルトガル編 撮影日記

ドウロ川沿いをいく
荒れる天気と雨男
ポルトガルに到着して以来、どうも天気がすぐれない日が続いた。雨男の異名を持つ、Iディレクターの力がポルトガルでもいかんなく発揮されているようだ。列車の走りを撮影するために、暴風雨の中一時間以上列車を待っていたのはかなり辛かった。その影響もあるのか、撮影隊が一人、また一人と体調を崩していく。
そんな中迎えた、ポルトから東、世界遺産のドウロ渓谷を旅する日。車窓から緑豊かな山々とぶどう畑、そして光り輝くドウロ川がのぞめるという、今回の目玉の路線だ。「これは是非、快晴の日に乗車したい」とのことで、スケジュールの段階で予備日も作って、準備万端!しかし、甘かった。予備日も含めて、全て曇天。予定を変更してもう少し天気の回復を待ちたい所だが、列車の許可申請の問題と今後のスケジュールも詰まっているので、しぶしぶ乗車することに。時々晴れ間はさすものの、やはり想像していたものに比べると物足りない。太陽の光を浴びる渓谷を、どうしても撮りたい!最初は、冗談だった雨男ネタも、段々と笑えなくなってきた。翌日、渓谷で列車の走りを撮る予定なので雨だと本格的にまずいと撮影隊の中に、危機感が渦巻く。
しかし次の日、今までの天気が嘘の様な快晴!ポルトガルで初めて見る青空、雲一つない。やっと天が味方してくれたようだ。ドウロ渓谷も本来の姿を表し、いく段にも折り重なったぶどう畑と、光り輝くぶどう畑が織りなす景観は、壮大の一言。そのぶどう畑から、川沿いを気持ち良さそうに走る列車の姿を撮影したことは、間違いなく旅のハイライトだった。結局、このあと一度も天候が悪化することはなかったが、天候に左右される旅ロケの難しさと、余裕あるスケジュールの大切さを知る、いい経験になったと思う。余談だが、回復する天候とは裏腹に、雨男ディレクターの体調は悪化の一途をたどる。関係あるかどうかは、天のみぞ知る所だ。
アシスタント・ディレクター 白石 竜太
雨の中列車を待つ
朝日を浴びて輝くドウロ川