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インド編 撮影日記

車窓から見える夕日
豪華列車ゴールデン・チャリオット
バンガロールからは豪華列車ゴールデン・チャリオットに乗って、アラビア海に面する街、ゴアを目指す。ゴールデン・チャリオットの旅は6泊7日。食事、宿泊、観光までパックのツアーになっている。個室の広さは4畳半程度と広くはないけど、シャワールームもついている。ベッドに横になると、「ガタンゴトン」という列車が揺れる音が、旅情をかき立てる。列車が移動するのは深夜か早朝のこと。朝起きると、列車は次の駅に就いていて、カルナータカ州の名所・旧跡巡りに出かけるわけだ。一生の思い出に残る素敵なツアーだと思う。
乗客であれば優雅に旅を楽しめるが、撮影隊としてはそんな暇は無い。この運行状況で明るい車窓を撮れるのは陽が昇ってから、駅に着くまでの間だけだ。ごく早朝、みんなが寝ている間に撮影を始めるしかない。そのあと、日中は遺跡を撮りに行き、夜はディナー、そして深夜にはまた列車が移動するので、その出発と到着を撮影しなければならない。つまり、ほとんど眠れない。
さらに、外から走りを撮るために、乗車するスタッフと外から撮影するスタッフと二手に別れて撮影。走りを撮影するスタッフは列車より先回りしなければならないので、これも大変だ。
でも、インドの朝と夕方は空が不思議な色に染まって、大変美しい。とくにこのゴールデン・チャリオットから朝の車窓を見たときは霧が重なって、本当に幻想的な風景が広がっていた。撮影は大変だったけど、そんな風景をカメラに収められたのは良かった。ちょっと忘れられない風景だ。
ディレクター  宮部 洋二郎
ゴールデン・チャリオットの客車
車内のラウンジ