アルゼンチン ウルグアイ編 撮影日記

- ブエノスアイレスの象徴オベリスコ
- 「車窓」の洗礼
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初めての「世界の車窓から」のロケ。
荷物の準備という初歩的な段階から私は頭を悩ませていた。と、いうのもロケに行く2月後半~3月、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスとウルグアイの気温は30度超え。一方で最南端のウシュアイアは、最高気温が10度を切る。しかし、夜行列車2回、国内線の飛行機4回、更に、ウルグアイに渡るフェリーに乗る予定になっているので荷物はコンパクトにしなければならない。
出発までの期間、下は20代後半から上は60代の現役ディレクターまで、沢山の「車窓」経験者に私は話を聞いた。口を揃えて言われたのは「絶対に予定通りにはいかない」ということ。そんなことを言われ不安も募ったが、何を置いても「電車旅」そして「一人旅」の魅力が伝わるように、ということを心に留めてロケに臨むことにした。
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東京出発から約30時間、やっとの思いでブエノスアイレスに到着し、街の撮影からロケは始まった。飛行機疲れ、更には、東京の夏のような蒸し暑さ。しかし、街の象徴でもある高さ67mのオベリスコやピンク色の大統領府は快晴の空にとても映え、美しい景色を撮影しているうちに、自然とわくわくした気持ちがわいてくる。
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ブエノスアイレスの街は、ヨーロッパ系移民によって築かれ、「南米のパリ」と称されている。
大統領府のある5月広場周辺を見渡すと、パリを思わせる建築以外にも、ギリシャ建築の聖堂や、スペインを思わせる建物が立ち並び、それらが不思議と調和をして美しい町並みを作っている。その様子は、移民を受け入れてきたこの地の人々の大らかさを表しているような感じがし、異国での撮影への不安が少し和らいだ。
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ところが、順調に撮影を終え、夕食をいただいていると、早速「予定通りにはいかない」洗礼を受けることになる。なんと、翌日乗る予定にしている、国内線のフライトがストで飛ばないとのこと・・・。
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「世界の車窓から」の洗礼を初日からきっちり受けて、ロケはスタートを切ったのだった。
- ディレクター 永田奈津子

- 街角でタンゴ

- 快晴に映える大統領府