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前回の大島美幸さん(森三中)に続き、今回は桂ざこば師匠が病院を訪れました。頻繁に鼻血が出るというざこば師匠。医師の診断を受け、肝臓の検査を受けることに――。
今回のテーマは「アルコールと肝臓の病気」です。
「突然鼻血がでるんですよ…。つーっと…。何か怖くてねぇ…」。ざこば師匠は、頻繁に鼻血が出るといいます。ざこば師匠はお酒が好きで、1日5合飲むとか。一般的に1日の飲酒の適量はアルコール20グラム、ビールなら中ビン1本といわれており、リラクゼーション、不眠やストレスの解消に一役かっています。しかし、長期にわたって過剰に飲酒を続けた場合、確実に胃、肝臓、すい臓、胆のうなどの臓器をはじめ、全身に悪影響を及ぼすのです。ざこば師匠が一番気にしているのは肝臓。肝臓とは、人体の化学工場と呼ばれる臓器で、主な役割としては第一に血液の貯蔵と凝固作用。いざと言う時の為に血液を蓄えたり、血液を固めるのに必要な成分を作ります。そのため、肝臓の機能が低下すると、血が止まりにくくなることもあります。これが、ざこば師匠の鼻血の可能性もあります。ほかに肝臓の役割として、体内で消化・吸収した栄養素を貯蔵したり、必要な物質に作り変える機能や、体内に入り込んだ有害物質を無害な物質に代え、体外へ排出させる解毒作用などがあります。この解毒作用により、アルコールによって体内に発生する有害物質を分解する働きも。そのため、お酒の飲みすぎは肝臓に大きな負担をかけることになります。肝臓を壊すと肝炎、肝硬変、肝臓ガンなど命に関わる重大な病気を引き起こします。肝臓が発する危険信号には体のダルさ、食欲不振、手もひらが赤くなる、足の浮腫み、黄疸、ふくらはぎがつりやすい…などが挙げられます。しかし、肝臓は異常をきたしても苦痛を伴わない「沈黙の臓器」と呼ばれており、なかなかこれらの自覚症状が把握しづらいのです。さらに、こうした症状が現れる頃には、もう手遅れになっていることも珍しくありません。起きている間は酒を飲み続けるという生活を送り続けて5年後、突然大量の血を吐き、病院で調べたら肝硬変だったという例もあるのです。
 「鼻血の理由がわかればありがたい」というざこば師匠が訪れたのは、大阪府立成人病センター。「鼻血は止まるけど、しょっちゅう出る。日本酒だと5合、焼酎だとボトル半分の量を毎日飲む」と説明するざこば師匠の肝臓を、外から押して調べると、少し腫れている模様。そこで、一度検査してみることになりました。
 ざこば師匠がまず行ったのが「血液検査」。血小板やガンマーGTPなど成分を細かく分析することで、肝臓病の早期発見が可能になります。次に向かったのは超音波を使い腹部の臓器を調べる「エコー検査」。主にガスの溜まらない臓器、肝臓、胆のう、すい臓の疾患を見つけ出すのに有効な検査です。最後はCT検査。身体にX線を通しながら、瞬時に身体の横断面の画像を見ることができ、これにより主にガスの溜まらない臓器の大きさ、形、位置を診断。各臓器のガン、肝硬変などを主に発見することができます。
 こうして、ざこば師匠の検査は終了しました。
 後日検査結果を聞きに、再び病院を訪れたざこば師匠。検査の結果は「軽度の脂肪肝」。脂肪肝とは、アルコールの長期摂取による肝障害の初期段階。肝臓に脂肪が溜まりだし、肝臓がはれ、表面はのっぺりとして黄色みを帯びます。ガンマーGTPの検査数値が高いと診断された場合は、この状態になっていると考えられます。痛みや倦怠自覚症状は少ないとされ、禁酒など適切な処置を行えば1〜3カ月ほどで完治します。
 そして、頻繁な鼻血の原因はというと…。肝臓による障害ではなく、空気の乾燥によって粘膜が弱くなっていたためだとのことでした。検査結果を聞いたざこば師匠の顔は晴れやかで、「飲むぞー!」とゴキゲンな様子。今回の放送でも大阪から生中継で出演して頂きましたが、さっそくお酒を飲んでいて「休肝日を増やす気はありません」とまで。しかし、週2日は休肝日にして、お酒の摂取は1日3合以下にしないと、肝臓だけでなく脳に障害が起こる可能性もあるといいます。ざこば師匠、ほどほどにお願いしますね。
 アルコール以外に肝臓に悪影響を与えるのは、睡眠不足など疲労を蓄積することです。脂っこい食事で脂肪を摂り過ぎてもいけません。実は脂肪だけでなく、ビタミンなど栄養の摂り過ぎは良くないんです。もちろん偏食で不足してもダメ。お酒の量もそうですけど、食事の量も適量にして下さい。また検査についてですが、お酒を毎日飲む人は最低でも3カ月に1回、検査を受けられた方がいいかもしれません。ただ異常のない人は半年に1回でもいいと思います。放送でいろんな検査を紹介しましたが、例えばCTスキャンだと炎症の程度まではハッキリと判らないんですね。もちろん、肝硬変になっているかどうかは判ります。が、軽い肝炎かどうかは実際の組織を取って診ないと、なかなか見分けがつかないんです。いちばん正確にわかる検査は、肝臓の横から鉛筆くらいの針を刺して、肝臓の組織の一部を取って診るという検査。そうすると、細かい状態まで判るんです。
(慶応義塾大学病院消化器内科/堀江義則氏・談)
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