真っ赤な世界　　【森川夕貴】

2018年09月26日

おとといは、愛知県半田市の彼岸花を中継でお伝えしました。
暗闇の中に赤だけが浮かび上がっていると、どこか別の世界にいるような感覚で
不思議な空間が広がっていました。
彼岸花は夜に見るとちょっと妖しげで誘惑されるような美しさがありましたよ…！

 
何故ここにこれだけの彼岸花が咲いているのかなんですが…
この場所は『ごんぎつね』の作者である新美南吉さんの故郷で、
その物語の中のごんが彼岸花を見つめているシーンを再現しているんです。

『ごんぎつね』の主人公はいたずら好きで孤独のきつね、ごん。
母を亡くした孤独の人間、兵十に自分がしてきたことを償おうと、
毎日贈り物を届け続けるごん。
それをいたずらだと勘違いした兵十がごんを撃ってしまうというお話。
 
『ごんぎつね』は１９８０年以降の小学４年生が使うすべての国語の教科書に採用されているそうで、
私も読んだ記憶があります。
子どものころと大人になってから読むのとでは、まったく違う印象を本に持ちますね。
孤独なごんの心の葛藤がなんだかより分かるような気がしました。