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2009年10月22日

アジアに浸透“人民元”揺らぐ基軸通貨“ドル”

アジアに浸透“人民元”揺らぐ基軸通貨“ドル”

中国は22日、今年7月から9月までのGDP=国内総生産の成長率が、前年同期比で8.9%と発表した。日本やアメリカに比べると、その差は歴然だ。世界第2位をうかがうまでに経済成長を遂げた中国は、今、新たに“通貨”をターゲットに定めた。

10月1日に建国60周年を迎えた中国。中国の「人民元」は、わずか15年前までは国際社会とはほぼ無縁の通貨だった。閉鎖的な通貨政策をとってきた中国には、かつて、人民元とは別に、外国人専用の通貨“外貨兌換券”があった。これは、中国が近代化に向け、対外開放政策を始めた直後の1980年に発行された。この兌換券を中国人が争うように求め、闇市場で兌換券は人民元の2倍近い値で取引されていた。当時、人民元は中国国内ですら、信用も価値も低かった。その人民元が今、国際社会で存在感を高めている。

中国と隣接するベトナム・モンカイ市では、毎朝、国境ゲートから流れ込む商人を闇両替商の女性たちが待ち受けている。彼女達が手にしているのは、赤い札の束、人民元だ。国境の町は、人民元に飲み込まれていた。市場で売られるジーンズの値札は人民元表示。買い物客の財布には、ベトナムのドンに交じって人民元が無造作に詰まっている。人民元の波は、日本にも押し寄せている。成田空港そばにある「イオンモール成田」では、今月、中国の“銀聯カード”のマークがテナントに一斉に貼り出された。このマークは、中国版デビッドカードが使えることを示すもので、このカードで中国人が商品を買うと、中国国内の人民元建ての口座から、直接代金が引き落とされる。日本でこのカードが使える店は、9月末時点で1万4200店もある。

半世紀以上、貿易など世界中の国際取引に使われてきた基軸通貨“ドル”の力が弱まっている。基軸通貨とは、国と国との貿易や金融取引などに広く使われる通貨だ。通貨は使う人が多ければ多いほど信用も力も増す。基軸通貨の役割を担い続けてきたドルの力がアメリカの経済力の源泉だった。野村資本市場研究所・関志雄シニアフェローは、「人民元がドル並みにどこでも通用する通貨になれば、中国企業も為替リスクを負う必要がなくなる。中国の金融機関の国際競争力もその分だけ高まる」と話す。じわじわと進む人民元の国際化。ドルの機能を人民元が奪い始めた現場がある。

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