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2010年2月10日

“スラムパワー”でブラジル経済躍進

“スラムパワー”でブラジル経済躍進

鉄鉱石や石油など天然資源に恵まれながらも、長らく経済が停滞していたブラジル。多くの国民が貧困に苦しめられてきた。しかし、去年1年間で、ブラジルの株価は約70%も上昇した。なぜ、世界的な不況を横目に、ブラジルは急激な変貌を遂げているのか。

2016年五輪の開催が決まったブラジル第2の都市、リオデジャネイロ。市街地を囲む丘の斜面に広がるのは、“ファベーラ”と呼ばれるスラム街だ。リオデジャネイロだけで700カ所あり、市民の4人に1人が暮らしているという。実は、好調なブラジル経済の原動力が、このスラム街の貧困層の人たちだという。

スラム街へと向かう唯一の手段、乗り合いタクシーに乗って、曲がりくねった坂道を登ると、スラム街の入り口にたどり着く。車はここまでだ。スラム街の中へ入っていくと、両側から家が迫ってきて、まるで迷路のようになっている。さらに進むと、薄暗く、人がすれ違うのがやっとの狭い路地となっていて、上を見ると、電線が、くもの巣のように張り巡らされている。元々、電気さえも引かれていなかった地域に、人々が勝手に住み着いたという。ブラジルのスラム街といえば、麻薬組織が横行し、ギャング同士の抗争が頻発する危険な場所だった。いまだに危険なスラム街も多いが、政府による麻薬組織の掃討作戦などで、治安は徐々に改善されたという。生活にも大きな変化が出てきた。

スラム街で生まれ育ったファビーナ・ノゲイラさん(30)。夫のオズマルさん(30)は左官工で、仕事は不定期。収入は月に数千円から数万円だという。しかし、ノゲイラさんの自宅には、2つの冷蔵庫や洗濯機など、真新しい電化製品が並んでいる。スラム街というイメージからは程遠い。さらにパソコンもあった。2000レアル(約10万円)を10回払いで購入したという。「1年2カ月のローンは、2カ月前に支払いが終わった」とノゲイラさんは話す。難なく支払いを終えたという10万円のローン。なぜ、高価なパソコンやテレビが買えたのか。その秘密は、政府から毎月支給される『ボルサ・ファミリア』と呼ばれるブラジル版の家族手当だ。家族手当は、一人当たりの月収が7000円以下の貧困家庭が支給対象となっていて、子どもの人数によって、額はさらに上乗せされる。3人の子どもがいるノゲイラさん一家への支給額は、毎月6700円。平均月収の4割以上に相当するという。

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