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2011年1月19日

理想と現実・・・新人教師の苦悩

理想と現実・・・新人教師の苦悩

採用1年目の教師の退職者が、ここ数年急増している。厳しい採用試験に合格し、希望に満ちて立った教壇。そこで何が起きているのか。現役新人教師の日常を取材。理想と現実の狭間に立つ苦悩を追った。

小学2年生の担任を持つ採用1年目の女性教師(22)。学生時代は、子ども好きから、遊園地でアルバイトし、去年4月、念願の教師となった。希望を胸にしたスタートだったが、最初の2週間が終わったとき、大きな不安を感じたという。「仕事の量が多くて、何からどうすればいいのかわからなかった。こんなに忙しいとは思っていなかったので、びっくりした」と話す。児童を帰した放課後、職員会議やテストの採点、教材作りなど様々な業務をこなすため、帰宅はいつも夜の9時過ぎ。ゆっくりする時間もなく、すぐ机に向かう。放課後やりきれなかった仕事を自宅に持ち帰っているためだ。毎朝7時に出勤し、寝るのは深夜。休日である土曜日も、残った仕事をこなすため、出勤している。なぜ、こんなに時間が足りないのか。新人教師には“初任者研修”という研修が義務付けられている。全国で体罰やいじめが問題化した1980年代、教師の資質向上が叫ばれた。そこで、時の政府は、採用1年目の教師を1年間の仮採用とし、それまでの研修を厳格化した初任者研修を義務付けた。研修は、学級経営や生徒指導などの講義に加え、管理職を前にした授業研修など多岐にわたる。研修はその後も強化され、今では年300時間以上の校内研修が基準となっている。そして、必ず義務付けられているのが、報告書の提出だ。新人女性教師が半年間に提出してきた書類は、200枚以上にも及ぶ。毎日、授業を行う傍ら、その作成に多くの時間を費やしていた。新人教師の危機を訴えてきた一橋大学の久富善之名誉教授は「報告書は必ず管理職のチェックが入る。チェックが評価につながる。『いい報告を書かなくてはいけない』ということが圧力になって、すごく時間が取られるという悪循環」と話す。

さらに、保護者との関係が問題になるケースも目立つ。あるアンケートによると、84%の教師が、『保護者の過度な要求が負担』と答えている。あるベテラン教師は「若い先生には遠慮がない。学歴で言えば教師は尊敬をされていた存在だったが、今はある意味『誰でも教師になれる』と思っている人たちがいる。

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