

2011年1月28日
1月18日午前10時30分。財務省が金利を発表し、5年利付国債の入札が始まった。金利は0.5%。この日の国債の発行額、つまり借金の額は2兆4000億円だ。同じ時刻、入札に参加する証券会社では、金利が発表されると担当者が一斉に受話器を取り、銀行などの機関投資家と話し、国債をどのくらい買うか決める。この日も無事、国債は売れ、新たな借金が生まれた。みずほインベスターズ証券の井上明彦チーフストラジストは「国債発行額が増え続けると、ますます借金が借金を呼ぶ。借金が雪だるま式に膨れ上がる」という懸念を示す。日本の財政赤字は、深刻な状況となっている。税収が40兆ほどしかないなかで、歳出は、その2倍以上の約92兆円。政府は、44兆円もの借金を何とか凌ごうとしている。国と地方の借金残高も、来年度末には900兆円に迫る勢いだ。
こうした日本の財政状況を、海外のヘッジファンドは、しっかりと見ている。ヘイマン・アドバイザーズのカイル・バス氏は、「日本は2年以内に行き詰まると我々は予想している。日本でもギリシャのような国債危機が起きる」と、日本の財政破綻は避けられないと断言する。バス氏が投資家向けに使った日本に関するレポート『ゾンビ経済の解剖』のなかでは、高齢化など日本が抱える問題点を詳細に分析し、日本の政治にも言及している。「日本は3年間で財務大臣が8人目。そんな国は見たことがない。誰が財務大臣になっても歳出削減ができていない。これまで日本政府は、巨額の財政赤字を抱えながら国民には問題ないと言ってきたが、正直に伝えなかったばかりに国民は大きな損害を被る」と指摘する。仮に日本が破綻すれば大混乱が予想されるが、バス氏は、その痛みを経なければ日本経済は復活できないという。「財政破綻すれば、日本人は資産の4分の1を失うでしょう。この恐ろしいことが起きて初めて再び良い時代が来る。1ドル=200、300円の円安で日本は大変な輸出力を持つはず」と話す。常に市場で儲けるチャンスを伺うバス氏。サブプライム問題の時は、市場の大暴落を事前に予想して取引を行い、巨額の利益を上げたと伝えられている。今回、日本に関しても似たような取引をしているとみられている。
これまで、安全といわれてきた日本の国債。