

2011年2月4日
各地で続く豪雪。この冬は、例年に比べて積雪量が多く、人的被害も相次いでいる。軒下で雪かきをしているときに、落ちてきた氷柱が頭頂部を直撃するなど、これまでに全国で100人以上が雪による影響で死亡している。そのほとんどが65歳以上の高齢者だ。死亡原因の大半は、屋根からの転落、次いで落雪による事故だ(2007年消防庁調べ)。落雪の衝撃は、どれほどのものなのか。また、雪の事故から高齢者を守るため、独自の対策を立てた自治体を山口豊アナウンサーが取材した。
山形県大蔵村で暮らす中島俊一さん(55)は、除雪作業に追われる日々が続いている。「除雪しないと生活していけない」と話す。中島さんが、朝起きてまず気になるのが外の様子。夜中に屋根から落ちてきた雪が、玄関を完全に塞いでいた。建設会社に勤務している中島さんは、出勤前に毎朝40分以上雪かきをしなければ外出できない。除雪作業は、高齢者にとってはかなりの重労働だ。中でも最も危険なのは、屋根の雪下ろし。放置しておくと、屋根が歪んだり、家自体が崩壊する危険さえもある。高齢になっても屋根に登って除雪せざるを得ない現状がある。屋根での作業には、どのような危険が伴うのか。屋根に積もった雪の上に乗ってみると、安定しているが、新しい家の屋根は、雪が落ちやすくなるように加工されているため、滑りやすい。作業中に雪のないところに足をかけてしまい、転落事故に繋がるケースが多いという。雪下ろしを請け負う直原市正さんは、高齢者が自分で雪下ろしをする理由について、「1人頼めば、1万5000円、1万6000円払わないといけない。高齢者は年金暮らしだから、経費節約という気持ちが働く」と話す。
先月、岩手県二戸市に住む吉田トチさん(78)の夫・萬治さんが(84)が亡くなった。自宅の軒下で雪かきをしていた際に、屋根から落ちてきた雪に埋もれたという。病院に行ったと思っていたトチさんは「雪の下になって死んだなんて、本当にびっくりした」と話す。落雪の衝撃とは、どれほどのものなのか。雪氷防災研究センター協力の下、検証を行った。高さ5メートルから70センチほどの雪の塊をブリキ製の缶に上に落としたところ、缶は、ひしゃげてしまった。その衝撃力を重さに置き換えると647キロ、車半分の重さだという。