

2011年2月8日
睡眠中に呼吸が止まってしまう病気『睡眠時無呼吸症』。10秒以上の窒息状態が一晩に何度も繰り返されるため、熟睡できず、昼間に強烈な眠気をともなう場合が多い。窒息する原因は、睡眠で筋肉が緩み、舌の付け根や上あごの奥が気道を塞いでしまうこと。太っていて、首周りに厚みがあると起こりやすいとされている。しかし、太った人だけでなく、標準体形であるにも関わらず睡眠時無呼吸症になる人がいるという。大きないびきをかく人、昼間、突然眠気に襲われる人は要注意だ。
7年前に睡眠時無呼吸症と診断された自営業の金子英昭さん(45)。昼間の眠気の激しさを「眠いなと思ってくるのではなく、突然フッと眠りのポイントに収まる」と表現する。金子さんは、運転中に急な眠気に襲われ、路肩に片タイヤを乗り上げ、斜めに走行するという経験をした。「歩行者がいなくてよかった。本当にヒヤッとした」と話す。体重120キロの金子さん。多くの人がイメージする睡眠時無呼吸症のタイプだ。しかし、いま、全く別のタイプの患者がいる。
家族から「睡眠中に息が止まっているようだ」と指摘されていた岩崎正洋さん(50)。岩崎さんは「無呼吸は太っている人が多いと思っていたので、自分の呼吸が止まっていると言われても認識がない」と話す。岩崎さんは、身長174センチ、体重68キロ。体重と身長から体格を数値化する指標“BMI”では、標準体形の数値が22として、25以上が太り気味、30以上が肥満となる。岩崎さんのBMIは22と典型的な標準体形だ。
岩崎さんは、神奈川県・太田総合病院に併設されている睡眠障害専門の施設・太田睡眠科学センターで検査を受けた。睡眠時無呼吸症には、“PSG・終夜睡眠ポリグラフ”という検査が行われる。患者は一晩入院して、全身にセンサーを取り付け、呼吸や脳波など睡眠中の状態を細かく調べる。検査技師が患者の様子を一晩中見守る。センサーの情報は、すべてのコンピューターが記録。正常な呼吸の場合、グラフは波打つ。開始から約2時間後。岩崎さんは、大きないびきをかき始めた。さらに1時間後、いびきが突然、途絶えた。すると、波打っていた呼吸状態のグラフが真っ直ぐになった。しばらくして、いびきが再開した。呼吸が止まった岩崎さんの胸を見ると、何度もへこんでいた。無意識にあえいでいるのだ。そして、呼吸が再開すると、手が動いた。