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2012年1月5日

未来へ・・・被災地の年越し〜2012年初春

未来へ・・・被災地の年越し〜2012年初春

岩手県陸前高田市の復興を継続して取材するシリーズ『復興を見つめて』。被災者たちの心に、暦の区切りがどれほどの意味を持つのか、まだわからない。それでも1年の終わりに打ち上がった花火を、人々は、それぞれの思いを胸に見つめていた。

年の暮れを迎えた陸前高田市。厳しい寒さのなかでも、降り積もった雪は、子どもたちにとっては贈り物だ。雪合戦をする及川佳紀くん(10)と弟の晴翔くん(7)は、津波で両親を失い、仮設住宅で祖父母と暮らしている。夏以来、地元の七夕祭りのDVDを見るのが日課になっている兄弟。そこには、震災前の両親の映像があった。山車に乗って、太鼓を叩くお父さんの姿は、佳紀くんの憧れだった。震災後の、去年夏に行われた七夕祭りでは、佳紀くんもお父さんと同じように山車に乗り、夢中で太鼓を叩いた。友達と遊ぶ機会も増え、以前より明るさが戻ったようにも見えるが、佳紀くんは、家族4人の写真を自分でコピーして、家のあちこちに飾っていた。本来なら両親と過ごしたはずの大晦日。佳紀くんは、避難所で知り合った仲間たちと年越しそばを食べることになった。

兄弟にそばを振る舞ったのは、及川従子さん(69)。本来、そのそばは、店で作っていたはずだ。及川さんは、味がいいと評判のそば店『やぶ屋』を夫とともに営んでいたが、津波は、夫と店を奪っていった。長男の雄一さん(44)が跡を継ぐことを決意。店の再開を誓い、年越しそばを店で振る舞うことを目指していた。しかし、建設工事が始まったのは12月に入ってからだった。国の支援制度を利用したものの、申請に時間がかかったうえ、設計のやり直しを何度も迫られた。年末には、とても間に合わず、年の瀬は、生活のために始めた宅配便配達のアルバイトを続けるしかなかった。雄一さんは「待ってくれているお客さんの声に応えられないのは残念」と話す。焦る気持ちを抑えながら、我慢の年末となった。

高田タクシーの菅野真彦社長(29)は、年越しの瞬間まで多忙を極めていた。経営者だった父と母を亡くし、自宅や会社も失ったが、親戚宅を間借りして、父を支えていた年配ドライバーと営業を続けた。市民の足になろうと、休んだ日は一日もない。さらに、菅野さんは、寒空の下で待機を続けた年配の従業員たちのため、高台に、屋内で休める新たな事務所を構えた。

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