

2012年1月20日
東日本大震災の翌日、3月12日、長野県北部を震源とする震度6強の地震が襲い、長野県栄村は甚大な被害を受けた。豪雪地帯としても知られる栄村。復旧・復興を目指しつつ、豪雪と共に生きる村の今を取材した。
積雪が2mを超えた栄村の仮設住宅では、今も103人が避難生活を強いられている。今月7日、仮設住宅に住む宮川正寿さん(41)が、雪下ろしを始めようとした際、ハシゴから転落し、死亡する事故が起きた。去年3月12日、栄村は、震度6強の地震に襲われた。その後も2度の余震で、震度6弱を観測。住宅33棟が全壊、169棟が半壊し、壊滅的な被害を受けた。人口の9割にあたる2000人以上が一時、避難。その後、避難所のストレスや寒さで高齢者3人が亡くなり、災害関連死と認定された。
栄村には32の集落がある。そのうち半分は、65歳以上の住民が過半数を占める限界集落だ。なかには、地震後、人口の流出が止まらず、存続自体が危うい集落もある。栄村・坪野地区では、13あった世帯が、地震後には8世帯にまで減った。坪野地区の斉藤英喜区長は「俺はこれくらいの地震には負けないと考えているが、若い者にしてみれば、ここは住むところではないという感じ」と話す。この集落に残ると決断した人たちもいる。斉藤直太郎さん(81)は、避難先での生活に馴染めず、半壊した自宅に今も住み続けている。廊下などが傾いているため、平衡感覚がおかしくなるという。残ると決めたものの、常に迷いがある。斉藤さんは「この間も震度4の地震があった。揺れる度に何か崩れるのではないかという心配がある」と話す。
12月の降雪量が平年の2倍以上という記録的な大雪に見舞われている栄村。厳しい冷え込みが続くなか、仮設住宅では新たな問題が起きていた。外気で冷やされた天井には結露が発生。業者が各家庭を回り、室内の補強工事を行っている。仮設住宅の構造に詳しい長岡技術科学大学の木村悟隆准教授は、断熱材を敷き直さなければ、根本的な解決にはならないという。朝、仮設住宅から外に出るにも、雪かきから始まる。駐車場に停めてある自分の車を探すのも一苦労。仮設住宅で暮らす高橋昭さん(67)は、自宅の状態を気にしていた。自宅があるのは、被害が最も大きかった地域だ。家の中は修復が進み、一見、全壊したようには見えないが、被害の爪痕は残っていた。