

2012年5月2日
4月30日、中国・大連の港に空母『ワリャーグ』が帰港した。この空母は、旧ソ連時代の終わりに建造され、1998年に中国が購入。去年の夏以来、今回で5回目となる出航は、11日間にも及んだ。地元メディアによると、艦載機のテストを行った模様だという。就役に向け着々と準備は進んでいるのか。今、アジアの海における中国の存在感は、日々、増大している。2日、尖閣諸島周辺に中国の漁業監視船2隻が姿を現した。尖閣諸島周辺に中国の漁業監視船が現れるのは、今年に入って5回目だが、東京都の石原知事の“尖閣購入”発言があってからは初めてのこと。海上保安庁の巡視船が、領海に侵入しないよう警告したところ、「我々は、中国の海域でパトロール中である」と応答したという。中国は、沖縄、台湾、フィリピンにかけてのラインを“第一列島線”と呼び、その内側にある東シナ海、南シナ海全域での制海権確保を目指しているとされる。アジアの海で影響力を広げ続ける中国海軍の実情を取材した。
南シナ海の北部に位置し、中国のハワイとも称される海南島。観光客が楽しむビーチの奥に軍艦の姿がある。海南島は、ビーチリゾートと海軍の基地が接していた。海南島の基地は拡大し続けていると指摘する軍事ジャーナリストがいる。日本の防衛省・防衛研究所での講演経験もある香港在住の平可夫氏は、2010年と2011年の衛星写真を比較し、桟橋の数が増えていることを説明する。長さ1kmの桟橋が2本。なぜ、1kmもの桟橋が必要なのか。平氏は「これは将来の空母の基地。つまり、中国が狙っているのは、総合海軍基地の建設だ」と指摘する。総合軍事基地化に不可欠な航空部隊の基地整備も進んでいるという。平氏は「過去の中国人の海洋に関する見方は、ただの通路だったが、現在は、経済有数の大国として海を重視している。“利益国境”というスローガンも出している。利益のある場所が中国の国境になる。例えば、石油が出る場所があれば、そこが国境になると中国は考え、行動する」と話す。
中国は、アジアの海での影響力をどこまで広げるつもりなのか。天安門広場で軍の幹部に聞いた。中国・人民解放軍の羅援少将は、海南島を総合軍事基地化していることに世界が注目していることについて「そのような話は聞いていない」と否定したうえで「南シナ海の主権は中国にある。
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