
雨季を迎えたカンボジア。緑がひときわ美しいこの季節に、首都プノンペンから北へ、南へ。瑞々しい大地を列車で駆け抜けます。長い内戦の影響で、2016年まで全ての鉄道が運休していたカンボジアでは、列車に乗り慣れていない人もまだ大勢います。南への旅は、日本からやってきた「キハ列車」で出発。今この国で観光の目玉となっている列車で、雨のなかを走り、港湾都市シアヌークビルを目指します。北線では、窓から風が吹き抜ける列車でのんびり旅。車窓には、青々と輝く一面の田んぼ。湖や川、海などの水辺でしなやかに暮らす人々とも出会います。辿り着いたアンコール遺跡では、夜明け前、青く幻想的な光景が待っていました。降り注ぐ太陽と恵みの雨。ヤシの木が揺れる南国の田園風景。雨上がりには、澄んだ空気が旅人を迎えてくれます。
