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借金大国・日本。その借金はおよそ770兆円――これは日本の国家予算の10倍近い、とてつもない数字です。そんなに借金が多いなら、その分お金を印刷しちゃいけないの? |
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■竹中大臣の答え
「まず借金をしているのは政府です。国民全体で外国から借金をしているわけではなく、政府が借金をしている、ということなんです。それじゃあ、いまの質問のように、どんどんお金を刷っていったらどうか、ということなんですけど、お金が世の中にたくさん出ると、何事もそうだけど、その値打ちは下がりますよね。食べ物でも何でも、ある物が世の中にたくさん出ると、その価値は下がります。お金も一緒なんです。お金がたくさん出されると、お金の価値が下がる。お金の価値が下がる、ということはどういうことかというと、物の値段が上がる、ということなんです。いままで、ある物を1000円で買ってた、と。でもお金の価値が下がると、もう1枚1000円札出さなきゃいけない。つまり、物の値段が上がる、ということなんです。お金を印刷する、というのは、政府はその瞬間いいかもしれません。そうすると、物の値段がどんどん上がっていくから、結局は国民が困るんです。だから、そういうことを安易にやっちゃいけないんですよね」 |
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アメリカ・ネバダ州のラスベガスは、カジノで潤っているそうです。だったら、どうして、日本にもカジノを作らないんですか? |
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■竹中大臣の答え
「ラスベガスの人口は、45万人くらいなんだそうですけど、そこに3600万人来るというのだから、すごいことですね。実はですね、日本でも今、いくつかの市や県から、「カジノをやらせてくれ」という声が上がっているんです。それで、国会議員のなかにも認めようという人たちが、100人くらい議員連盟というのを作っているんです。そういう声があるのも確かなんですね。これは、しかし、ひとつ問題なのが、刑法という重要な法律のなかに「賭博罪」というのがあって、こういうギャンブルのようなことをやってはいけないということを長い間、私たちの社会のルールとして決めてきている。そこは、国民が本当に納得して、カジノをやろうじゃないかと、納得しないといけないと思うんですね。あるアンケートによると、国民の半数くらいは、やってもいいじゃないかと言っているんですが、残りの何割かはやはり問題じゃないかと言っているんです。そこは、非常に大きな社会のルールですから、しっかりと話し合いをしなくてはいけませんね」 |
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以前、スマステでも取材に行ったことのある町工場。最近、人件費の安いアジアの国々に、存在を脅かされていると聞くけれど、日本の発展を担ってきた町工場は、今後、どうなるの? |
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■竹中大臣の答え
「そういう町工場は、日本が世界に誇るべき力なんですね。あれが、経済の源泉だと言っていいと思いますし、大阪でも東大阪とか、日本各地にそういう町工場があるんですよね。しかし、これからは、そういう安い人件費と競争していかなければいけないっていうのも事実で。いままでもね、日本は、海外の安い人件費のところと競争して、競争して、さらに技術を高めて生き残って、そして、今日に至っているんですね。そういうことを、いままで以上に続けていく、それに尽きると思うんですね。そういう力は、日本は、本当に持っていると思う。例えば、25年後の日本がどうなっているだろうか、という調査をやったことがあるんですけどね、日本全体のなかでもの作りが占める割合は24%くらいなんですね。これが少しずつ減るんだけれども、25年後でも、20%くらいがもの作りが占めているという結果が出ているんですよ。それだけ、日本のもの作りは中小企業に支えられていくし、それが、日本経済の魅力になっていく。この構図は、絶対に変わらないと思いますね」 |
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2000円札は、どこに行っちゃったんですか? また、ユーロみたいに、アジアも統一通貨にはならないんですか? |
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■竹中大臣の答え
「2000円札を作ったときには、いろいろな理由があったと思うんだけれども、我々が使うお金の単位が大きくなるから、その需要を満たすようにと2000円という考え方が出てきたんだと思いますね。しかし、使い手が悪いですよね(笑)。個人的には、20000円札があれば、便利かと思うことがあるんですけどね。お金には、どういう使い方があるか、考えてみると面白いと思うんですよね。お金にはね、これいくらという尺度、単位としての役割がひとつと、もうひとつは、ものを買うために使う、交換のために使うでしょ。もうひとつあるんですよね、それは、貯めるってこと。儲けたお金を円で持つのか、ドルで持つのか、お金には貯める手段もあるんですよね。今言った3つを満たさないと、お金にはならないんですよね。そう考えると、アジアにはいろんな国があるから、今すぐにというのは難しいですよね。でも、部分的に、ドルを使って買い物しましょうとかっていうのは普及すると思いますけど」 |