愛知・幸田町
~幸せ香る 町の燻製屋さん~

今回の舞台は、愛知県幸田町。会社を早期退職して、5年前に燻製と惣菜の店を始めた本部浩一さん(59歳)と妻の美栄子さん(58歳)が主人公です。
名古屋市出身の浩一さんは高校卒業後、市内にある物流関係の会社に就職し、翌年、同じ会社に入社した美栄子さんと結婚しました。浩一さんが燻製作りに興味を持つようになったのは30歳を過ぎた頃。2人の息子が通っていたボーイスカウトのリーダーに抜擢され、先輩からご馳走になった手作りのベーコンの美味しさに衝撃を受けました。浩一さんは「自分でも美味しい燻製を作ってみたい!」と、独学で燻製作りをスタート。興味を持つと納得できるまで追求する浩一さんの腕は、メキメキと上達していきました。
そんな浩一さんに転機が訪れたのは、50歳を過ぎた頃。管理職がストレスとなり会社を休職。悩んでいた浩一さんに、妻の美栄子さんは「会社を辞めて、自分の好きな道を歩むのもいいんじゃない」と言葉を掛けました。その言葉に背中を押された浩一さんは会社を早期退職、燻製の店を始める決心を固めます。一方、料理が好きで、食堂やイタリアンレストランで働いていた美栄子さんも、浩一さんの力になりたいと、一緒にお店を始める決心しました。こうして2019年、2人が暮らしている美栄子さんの実家の駐車場の奥の小さなスペースに『燻製とお惣菜のお店 燻Kemuru』をオープンしました。
夫婦仲良く小さな店を営んでいる浩一さんと美栄子さん。そして、2人の挑戦を応援してくれている家族や、お店をきっかけに広がる地元の人々との心温まる交流を紹介します。



燻製作りで大切なのは、食材に香りや風味を出す燻材選びと温度管理です。浩一さんは、豚肉の脂の甘さを生かすため、ヒッコリーという甘い香りのする燻材を選びました。 そして燻し始めたら、温度を保ちながら、30分毎に燻材をつぎ足すこと12時間。燻製器の中の豚肉は…、みごとな黄金色に輝くベーコンに!徹夜で作業を続けた浩一さん、お疲れ様でした。



この日のお客様は、お店がオープンした当初から通ってくれている長坂さんご家族です。浩一さんがいる燻製工房に駆け込んだ子供たち。お目当ては、大好きなウズラの卵の燻製です。もちろん、ご両親も燻製が大好き。肉厚のベーコンを挟んだBLTサンドと燻製入りのお弁当をご注文頂きました。



お店の定休日。浩一さんと美栄子さんは食材の買い出しで、岡崎市にある養鶏場へ向かいました。燻製の食材として使っているのは、岡崎市で生まれた純国産地鶏の「岡崎おうはん」の卵です。燻製卵を開発当初から、何度も試食していただいた太田さんと都築さんからは、「最初は燻しすぎて真っ黒だったけど、研究熱心な浩一さんだから、おいしい燻製の卵が出来ましたね!」と、嬉しいお言葉をいただきました!



お2人は美栄子さんの実家で、美栄子さんの母・さかえさんと一緒に暮らしています。この日は、美容師をしている長男の裕介さんと妻の綾さんが遊びに来てくれました。綾さんは、「食べだしたら止まらない~」と、浩一さんオリジナルの芋けんぴの燻製がお気に入り。また、裕介さんは、会社を辞めてお店を始めた父について、「とことんまで燻製作りを頑張っている。誰でも出来ることじゃないですよね」と話していました。初めて聞いた息子の言葉に浩一さんも嬉しそうです。



太田商店 らんパーク
岡崎市にある卵をテーマにしている施設です。純国産地鶏の「岡崎おうはん」の卵などを購入できます。また隣接するレストランでは卵料理を味わうこともできます。
直売所の営業時間:9:00~18:00
レストランの営業時間:9:00~17:00 予約不可
(ランチタイム 11:00~14:00)
定休日:水・第3日曜
電話番号:0564-51-9703




燻製とお惣菜のお店 燻(くん) Kemuru
浩一さんが燻製を、美栄子さんがお惣菜を販売しているお店です。
地元産の卵や豚肉を使った燻製を味わうことができます。
営業時間:午前11時~午後5時
定休日:火・水曜
※臨時休業あり
燻製たまご(鶏卵)150円/個
ベーコン焼き 500円/枚
日替り弁当 760円
など
ネット販売はしておりませんので、ご了承ください。
お問い合わせは、HPまたはSNSをご確認ください。