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  reported by
宮嶋泰子


野口みずきの五輪不出場決定がJOCから発表されるや否や、北京の日本メディアたちは猛ダッシュで関連取材開始!

急遽私も野口のシューズを作ったアシックスの三村氏の夕餉を急襲してしまいました。
「今日聞いてもう、がっかりだよ」
三村さんもかなりの落胆振りでした。
「7月3日の野口の誕生日に足の測定をしたんだけれど、以前は偏っていた靴の減りもなくなって、とってもいいフォームに仕上がっていたんだよね。この調子なら連覇間違いなしというくらい調子がよかったんだ。こういうときは気をつけろよ!といって別れたんだけれどね、まさかこんなことになるとは・・・」
“調子がいいときこそ気をつけろ!”
これはオリンピックではとても大切な言葉です。

好調で注目されていると妙なプレッシャーを自分にかけて、自爆していく選手もいます。
中国で最初の金メダルを獲得するだろうと期待されたエアーライフルの杜麗選手は、プレッシャーから2大会連続の金メダルを逃しました。
ウェイトリフティングの三宅選手もそんな一人かもしれません。

反対に、あまり注目されていないと、自分のペースでしっかり試合を運び、思わぬ結果をもたらす選手たちもいます。

オグシオに注目が集まる中、のびのびとプレイをして「自分たちの持ち味の楽しむバドミントンをしたら勝ってしまいました」という末綱・前田組。世界ランキング1位の中国ペアを破ってベスト4に進出しました。



去年ドイツ・シュツットガルトで行われた世界選手権で12位に入り、ぎりぎり北京オリンピックに団体出場を決めた体操の女子選手たち。3日前に行われた団体予選で、ミスをしない演技で8位に入って決勝進出を果たしました。ベスト8に入るのは実に24年ぶりのことで、それだけでも「ミラクル!」と叫んでいた選手たちですが、今日行われた決勝では、ブラジル、フランス、オーストラリアを抜いてなんと5位に入ったのです。

優勝は男子団体とアベック優勝の中国
2位はアメリカ
3位はルーマニア
4位はロシア
5位日本

こうやって並べて書いているだけでそのすごさがわかります。
5位という成績は1968年のメキシコ五輪の4位に次ぐ成績ですから、その素晴らしさがわかるというものです。




エースとしてがんばった鶴見虹子選手は「笑っちゃうぐらい、信じられないです。」とニコニコ顔です。
成績など気にせず、自分がやってきたことをしっかり出すことだけを心がけたのがよかったのでしょう。すべての競技が終わって、選手たちは初めて自分たちの順位が5番目にあることを知り、驚くやら喜ぶやらで大はしゃぎでした。

欲が出ると心理面がぐらつき、ろくな結果にならないようです。順位を気にし始めた中国、アメリカ、ロシアの強豪選手たちでさえもぼろぼろと平均台から落下していったのに、日本の選手たちは、全種目ノーミスだったのですから立派です。



競泳バタフライ200mで銅メダルを獲った松田丈志選手が言っていました。
「4年間の練習がすべてここに出ればいいと思っていました。どんな結果でも満足するつもりでした。」

無の心境。
これこそが持てる力を存分に発揮させる基本なのでしょう。



美空ひばりの歌「柔」を思い出しました。
「勝つと思うな、思えば負けよ・・・」

日本選手結団式の時にはこれを歌うといいかもしれませんねえ。

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