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2009年1月8日

北朝鮮で新たな市場統制 国家権力者らによる流通独占の意図

北朝鮮の金正日総書記が、元旦に軍部隊を視察したと報道された。しかし、未だ動画は放送されず、去年9月に世界を駆け巡った「重病」の回復状況には疑問符がつく。こうした中、北朝鮮の民衆にとって命綱となっている市場で、統制が強化されていることが明らかになった。今年の政治方針を示す労働新聞などの「新年社説」も『市場の統制強化』を暗示。国家指導部は民衆の「生きる術」を奪おうとしている。

北朝鮮の実態を世界に知らしめようと北朝鮮国内で取材を続けている北朝鮮人ジャーナリストのシム・ウィチョン氏による最新リポート。季刊誌「リムジンガン」の記者でもあるシム氏は、去年10月、北朝鮮南西部の黄海道(ファンヘド)をカメラ取材した。

映像には、路上で品物を広げ、商いをしている女性たちの姿があった。政府公認の市場でモノを売るためには場所代を支払わねばならないからだ。しかし、当局は、路上での商売を無くそうと取り締まっていた。保安員(警察官)が来ると、女性たちは商売道具をまとめ、すぐに移動。そして警察官がいなくなると、再び荷を広げていた。飛び跳ねるように逃げ惑う様子から『バッタ商売』と呼ばれる。こうした警察官と女性たちの「イタチごっこ」は毎日のように繰り広げられている。そして違反が度重なると、身柄を拘束され、警察が管轄する「労働鍛錬隊」に入れられる。悪質とみなされた路上の物売りのほかにも、脱北に失敗した人や、国から指定された企業所への出勤を怠った者らが、裁判なしで拘束され、最長で半年間、強制労働をさせられる施設だ。「労働鍛錬隊」の周りには、強制労働の現場に向かうために出てくる夫らにタバコなどを差し入れしようと女性たちが待っていた。
1970年代、高校生だった時、「帰国事業」によって北朝鮮に渡った在日朝鮮人2世のキム・ヒャンさんは、生活苦から脱北を試みて失敗し、「労働鍛錬隊」に入れられた経験を持つ。「木を伐採し、山から下ろす仕事が大変だった。監視員は一生懸命仕事をしても鞭で打つ。鍛錬生が『どうしてぶつのか』と口答えをするともっとぶたれ、顔や腕が腫れて・・・」と話す。食事も十分与えられず、衛生状況も劣悪だという。

一方、海州(ヘジュ)の政府公認の市場前は、商いに向かう人々でごった返していた。配給食糧や給料がまともに支給されない中、人々は現金を得るために市場で商売をせざるを得ない。

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