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2009年3月27日

派遣村から3カ月…失業者支援を阻む壁

派遣村から3カ月…失業者支援を阻む壁

去年の大晦日、東京・日比谷公園に開設された「年越し派遣村」。ここに500人もの失業者が集まったことで、行政は異例の手厚い対応を見せた。千代田区は、生活保護の至急を急ぎ、通常2〜3週間かかる手続きを5日ほどに短縮。住居や就職の相談窓口も設けられ、再出発の準備が整えられた。しかし自立支援と就労支援の連携がうまくいっていないと、年越し派遣村で村長を努めた湯浅信氏は指摘する。生活保護の実施は地方自治体、職業紹介は国のハローワークと、窓口が分かれていることが効果的な支援を妨げているのだ。

実態を探るため、派遣村に身を寄せていた人のその後を追った。
千代田区から1カ月の生活保護を受けた松本信一さん(41)は、ハローワークから「職業の安定を図るため、住居の確保が必要」と雇用促進住宅の利用が認められ、神奈川県内で家賃1万8千円の格安物件に1月中旬に移り住んだ。食事は一日一食。日中はコーヒーを流しこみ空腹を紛らわしている。肝心の仕事が見つからず、所持金は底を突いた。財布にある2千円がすべてだ。松本さんは転居先で改めて生活保護の申請を行ったが、支給日が決まらない。担当窓口を訪ねると「あくまで千代田区の対応が異例だった」と説明された。数日後の支給は決まったものの、申請から3週間以上が経っていた。次に松本さんは県内のハローワークに向かった。新宿や池袋のハローワークにも通っていたが仕事が決まらない。決まらないのは松本さんが選り好みをしていたからではない。募集要項に「年齢不問」とある企業に、ハローワークの担当者が連絡してくれたが、この企業は41歳という年齢だけで松本さんを拒絶した。
生活保護と就労の窓口。それぞれの機能は完全に分断されていた。

ハローワーク飯田橋から500メートルも離れていない場所に東京都が5年前に設置した『東京しごとセンター』がある。ここでは求人情報の提供だけでなく、セミナーやカウンセリングに力を注ぐ。就職に必要な力を養うのが目的で、ハローワークとの違いを鮮明に出している。しかし利用者が最終的に仕事を紹介してもらうには、センター内にあるハローワークの出張所に出向かなければならない。2月中旬、猪瀬直樹副知事が視察に訪れ、東京都の施設の中にまで国のハローワークがあるのは、二重行政だと指摘した。
では、なぜハローワークを併設しているのか。

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