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2009年4月6日

加藤千洋が見た〜中国・黄河の“水不足”危機〜

加藤千洋が見た〜中国・黄河の“水不足”危機〜

標高4000mを超える青海・チベット高原を源に発し、蛇行を繰り返しながら、中国大陸5400kmを流れる大河、黄河。太古の昔より人々は黄河流域に暮らし、中華文明を育んできた母なる川。かつては何度も大洪水を起こし、“暴れ川”と呼ばれた黄河に今、その面影はない。中国の抱える『水問題』を朝日新聞編集委員・加藤千洋が取材した。

黄河河口の広大なデルタ地帯に広がる中国第二の油田“勝利油田”。年間2500万tの原油を生産する。中国のエネルギー資源の重要な拠点になっているが、石油精製には大量の水が必要だ。黄河流域には、勝利油田で発展する東営市のように、工業化で発展する都市が50以上もあり、約2億人が暮らしている。急速な経済成長と人口の増加により、水の需要が増え、黄河の水が減り続けているという。1970年代から水は減り始め、90年代半ばには、とうとう川の水が海まで届かないという“断流現象”まで起きた。黄河流域に広がる黄色い大地。「黄河は、世界的にも川に含まれる泥と砂の成分が高いことで有名だが、これがこの川を治水する難しさの原因となっている」と加藤氏は言う。

河口から50kmほどさかのぼると、その危機がはっきりと見える。水が干上がってしまい、本来は川に浮くはずの浮橋が、川底に置かれた状態になっている。黄河の下流域では、去年10月以降、ほとんど雨が降っておらず、38年ぶりの記録的な干ばつが続いていた。干ばつは人々の暮らしも直撃している。黄河沿いの山東省・東三村では、水不足で水道が止まった。900人の村人は、農業用のため池の水を生活用水として使っている。李中さん(50)もトラクターで15分かけて1回に2〜3日分の水をバケツで汲み、自宅の庭にある水がめに移して使っている。料理から洗濯まですべてため池の水でまかなう。今年に入ってから、こうした生活が続いている。黄河河口から600km上流にさかのぼり、河南省に入ると、さらに干ばつの状態はひどくなっている。400人が暮らす山間の趙溝村では、3カ月以上雨が降っていない。去年1年間の降水量も平年の半分に満たないという。かつて川だった場所に今、流れる水はない。井戸水も枯れ、村人は水を求め、探し回る日々が続いている。小さな水たまりの水も生活用水にしている。たとえどんな水でも一滴もおろそかに出来ない。

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