759 | 760 | 761 | 762 | 763 | 764 | 765 | 766 | 767 | 768 |

2009年4月8日

働き盛りがなぜ…元派遣社員の孤独死

働き盛りがなぜ…元派遣社員の孤独死

今年1月14日、大阪市住吉区のワンルームマンションで、49歳の元派遣社員・佐藤和夫さん(仮名)が孤独死しているのが見つかった。死後、約1カ月が経っていたという。死因は“餓死”。一体、佐藤さんに何があったのか。

佐藤さんは、月3万9000円のワンルームマンションに一人暮らしだった。遺体の第一発見者は、滞納していた家賃を請求に来たマンションの管理人。ベッドの上で、普通に寝るように、普段着のままで息絶えていたという。極度に痩せ細っていた佐藤さんの亡骸。行政解剖の結果、胃に内容物はほとんどなかった。冷蔵庫には食べ物が入っていた形跡は無く、残されていたお金は、1円玉や5円玉の硬貨のみだった。またポストには公共料金の督促状があふれかえっていた。

佐藤さんは、派遣のシステムエンジニアとして銀行で働き、500万円近い年収を得ていたが、2007年3月に体調を崩して契約の更新をやめ、無職となった。その半年後、失業手当の支給も終了した。

徳島県鳴門市の佐藤さんの実家には、81歳になる母親と失業中の兄が二人で暮らしている。母親は、誰にも看取られず亡くなった息子の遺骨を、手元から離す気持ちになれないという。「正月前に大阪に訪ねて行こうと思ったが、年金暮らしで、お金がかかるため、行けなかった。そのときにはもう倒れていたらしい。虫が知らせたんだ」と話す。

佐藤さんは2007年12月、糖尿病で倒れ、医療費に困り、母親に送金を頼んだ。母親は、7万円を送金。この時、佐藤さんの兄は、病気で働けなくなった弟に「生活保護を受けてはどうかと」とすすめた。兄の助言を受けて、2008年2月、佐藤さんは生活保護を申請するため、区役所の窓口を訪れた。しかし、担当者は、仕事を探して、それでも見つからず、生活が困窮する場合には、保険証や通帳などの必要書類をそろえ、再び来るようにと伝えたという。さらに「本人から生活保護の申し出がなく適切に処理した」と話す。結局、佐藤さんは、再び窓口を訪れることはなかった。

生活保護を受けられずに49歳で餓死した佐藤さん。生活苦にあえぐ人々を支援する市民団体「全大阪生活と健康を守る会連合会」は、現在の生活保護の申請のあり方に問題があると指摘する。
大口耕吉郎事務局長は、「一回行って受け付けられるのは稀で、仕事を探してきてくださいと言う。

  • 1
  • 2
759 | 760 | 761 | 762 | 763 | 764 | 765 | 766 | 767 | 768 |