

2009年6月17日
国が行う道路建設や河川整備などの公共事業で、地方が一定の費用を負担する「直轄事業負担金制度」。国道や河川などの維持管理費の45%、建設費の3分の1の負担が義務付けられている。事前相談はほとんどなく、国から一方的に知事宛に送られてくるという“請求書”。具体的にどの事業の何に使用されたか明細がない。大阪の橋下知事が「ぼったくりバーの明細書みたいだ」と怒りの声を上げたように、不透明な実態が問題になっている。先月末、全国知事会や地方分権改革推進委員会の再三にわたる要求によって、国土交通省は初めて、直轄負担金の内訳を示す明細書を公表した。
国交省が東京都に明らかにしたリストの中には、埼玉県にある、道の駅に設置された343万円の大型プロジェクターなどが含まれていた。なぜ東京都と直接関係のない事業、備品の購入代まで、負担しなければならないのか。
東京都は、国交省に50に及ぶ疑問点を挙げ、説明を迫った。説明に出向いた国交省は、埼玉の道の駅で使用しているプロジェクターについては、「記載の間違いで、大変申し訳ありません。東京都には負担をお願いしていません」と回答。東京都の疑問に対して、6カ所、間違いを認め訂正した。しかし、国交省の説明に納得できない。その最大の理由は、国の事業や施設の“維持管理”にまで負担を強いられている点だ。千葉県の国道を整備している出張所に隣接している国交省の官舎の老朽化による設備改修費用、約2700万円のうち、約1140万円を東京都が負担していた。昨年度、東京都が負担した国の営繕宿舎費は、約1億3000万円。今年度、地方が国に支払う直轄負担金の総額は約1兆円。全国知事会は16日、直轄負担金の2割を占める“維持管理費”の廃止を訴えた。さらに、全国一斉の支払い拒否もあり得ると警告を発している。
東京都の猪瀬副知事は、本当に建設に使われる“整備(建設)費”の3分の1は負担するが、退職手当、国家公務員共済組合負担金、公務災害補償費、営繕宿舎費は、国が全額負担すべきと訴えている。また地方が45%負担している維持管理費についても、国が直轄管理している国道などは、管理主体である国が負担するべきものだ。地方の主体性という意味で、国が持っている税源や財源を地方に渡せば、本来負担金など出さなくてもいいもので、そういう方向に行くのが地方分権だ、と話す。