747 | 748 | 749 | 750 | 751 | 752 | 753 | 754 | 755 | 756 |

2009年6月11日

強硬か対話か…揺れる「反米感情」世界が注目“大国イランの選択”

強硬か対話か…揺れる「反米感情」世界が注目“大国イランの選択”

6月12日に行われるイラン大統領選挙。この選挙の行方を世界は注視している。

大統領選には4人が立候補しているが、再選を目指す、反米・保守路線の現職アフマディネジャド大統領と、対話・改革路線を説く、ムサビ元首相による事実上の一騎打ちだ。この選挙が注目される背景には、アメリカが抱える2つの戦場の存在がある。イランと同じくイスラム教シーア派が実権を握るイラク。隣国イランの影響力は絶大だ。一方、対テロ戦争の前線基地だったパキスタンは、もはやこの国自体が新たな戦場と化し、アフガニスタンの安定はイランの協力なくしてはあり得ない。そして、着々と進められる核開発。そこには、北朝鮮との闇のコネクションも見え隠れする。

欧米に背を向け続けるのか、それとも対話路線に舵を切るのか。

徹底したイスラム主義を掲げる現政権になってから“自由”の束縛は強化されてきた。風紀警察による街頭での服装などの取り締まりは厳しくなった。以前ならば、女性は前髪だけは出すことが許されていたが、今は、完全にスカーフで覆うことが求められる。髪形が風紀を乱すという理由で、6回も逮捕された男性もいる。イランの有権者の半分以上を35歳未満が占めていて、今回の選挙の鍵を握るのは、このような不満を溜め込んだ若者票の行方だ。

国が厳格なイスラム政策を進める一方で、“欧米文化”を求める若者が増えている。ここ10年間で、首都の繁華街は大きく様変わりした。色とりどりの洋服を扱うブティックが軒を連ね、ハンバーガーショップは20代の若者を中心に大人気。大学生のサイードさん(24)の自宅の部屋には、ブラッド・ピットのポスターが貼ってあり、闇市場で手に入れたDVDを毎日のように観ているという。夢は、得意の英語を仕事に活かして、世界を飛びまわること。サイードさんは「イランに表現の自由があるとは思えない」と話し、改革派のムサビ氏に投票するという。

勢いを増す改革への波。両者が拮抗する中、現職アフマディネジャド大統領は、国際会議を台無しにするという荒業で打って出た。ジュネーブで開かれた国際会議の冒頭で、議題を無視して、「イラク戦争やアフガニスタン戦争の起源は一体なにか?それは当時のアメリカ政府のエゴによるものに他ならない」などと、中東和平をめぐる西側諸国の批判を展開した。

  • 1
  • 2
747 | 748 | 749 | 750 | 751 | 752 | 753 | 754 | 755 | 756 |