

2009年11月12日
フリージャーナリストの西谷文和氏が見たアフガニスタンの現状______
タリバンの自爆テロ、アメリカ軍の空爆で絶えることのない戦火。大量の避難民は、アフガニスタンの首都カブールにある国内避難民キャンプに押し寄せているが、食べ物もなく、不衛生な環境だ。またこれから迎える冬。雪が降る中、テントで生活するしかないという。カブールの冬は氷点下15度にも達するというが、毎年こうした避難民キャンプでは、十数人の子供達が寒さのあまり、命を落としている。国連などの支援物資は、こうした国内避難民キャンプには届きにくい。その背景には、家族を殺された避難民の若者が、生活の安定と引き換えに“タリバン化”している現状がある。避難民キャンプから生まれる“ニュータリバン”が、さらに治安を悪化させている。勢力を拡大するタリバン。いまや活動地域は、アフガニスタン全土の97%に及んでいるという。
そのタリバンの本拠地・カンダハルにフリージャーナリストの西谷文和氏が潜入した。『アフガニスタンにいる外国人のすべてが敵』と宣言しているタリバン。カンダハルの町は一見、普通に見えるが、一般人とタリバンの見分けはつかず、首都カブールで見られたシャツやジャケット姿を目にすることはない。タリバンと通じている人物がどこにいるか分からないカンダハル。不用意にタリバンについて尋ねることは危険を伴う。
西谷氏は、市内で唯一の救急病院、ミルワイズ病院を訪れた。カンダハルには医療施設が整った病院は少なく、重症患者のほとんどがこの病院に運ばれ、180床ほどある外科病棟のベッドが空くことはない。空爆、地雷、銃撃など、救急患者の7割近くが戦争被害者だ。被害者の一人、9歳のアッサン・ビビちゃん。先月初め、アメリカの空爆により、爆弾の破片が直撃し、全身に大やけどを負った。「タリバンを狙った空爆だというが、タリバンはどこにもいなかった」とビビちゃんの伯父は話す。この空爆により、姉妹2人と弟1人が亡くなったという。しかし意外にも瀕死のビビちゃんを病院まで運んだのは、アメリカ軍だった。「アメリカ軍がカンダハルの空港まで運んだ。そして200パキスタンルピー(約220円)をもらってこの病院まで来た」と伯父は言う。アメリカは誤爆を認めていることになる。
ミルワイズ病院には、赤十字国際委員会から派遣された3人の日本人女性がいる。