

2010年3月19日
オウム真理教信者による『地下鉄サリン事件』から3月20日で15年。猛毒のサリンで6200人以上が負傷し、死者は13人に上った。教団は事件後、『アレフ』と名前を変え、今も残っている。勢力は一見、衰退したかのように思われたが、最近、麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚を公然と崇拝する動きが復活し、再び危険性が増しているという。去年までアレフの代表だった野田成人氏が、今の教団について語った。
野田氏は、「予言とか麻原の絶対性を信じていたから、おかしいなと思いながらも従っていた」と当時を振り返る。野田氏は、サリン事件には直接関与していなかったため、逮捕はされなかった。そして、広報担当だった上裕史浩氏が出所後、アレフの代表になってからは、ともに“麻原崇拝”からの脱却を目指したというが、上裕氏が“麻原崇拝派”と対立し、脱退。野田氏も去年3月、追放された。「麻原の死刑が確定したが、その事実を信者たちは直視しようとしなかった。それなら、麻原が処刑されたほうが、信者の目が覚めると考えて、『麻原を処刑せよ』という主張を一般のところでしたのが問題視されたため」だという。
東京都内にある教団施設に、野田氏は、教義の過ちを書いた著書を手にして訪れた。しかし、対応した信者は、幹部は不在だと告げた。「最近、麻原原理主義という部分で、教団はとにかく麻原を信じればいいと打ち出している。信者たちは、自分たちが将来的にどうなるかということに対する問題意識が薄い」という。去年、公安調査庁の立ち入り検査で、松本死刑囚の写真が再び、複数の施設で掲示しているのが撮影された。さらに、松本死刑囚の発言を収録したDVDの販売も再開しているという。「5、6年前は、麻原の写真を祭壇から下ろして麻原色を薄めていくような対応はあったが、最近写真を掲げている。麻原原理主義を鮮明にしているという部分では、やっぱり危険性が増している」と野田氏は話す。この“麻原崇拝”が、一連のオウム事件を引き起こした。松本死刑囚は、「“ハルマゲドン”=人類最終戦争が起きる」と終末感を煽り、自分はその人類を救済する者だとして、信者に崇拝させた。そして、“ポア”と称し、殺人をも容認。教団を問題視する人々を殺害した。1994年の松本サリン事件では、8人を殺害。警察の強制捜査の動きを察知すると、捜査のかく乱を狙って、地下鉄サリン事件に及んだ。