

2011年3月9日
1945年3月10日午前0時7分、約10万人の市民が犠牲となった東京大空襲。死者のほとんどは、女性や子ども、そして高齢者と非戦闘員だった。東京が受けた戦争の傷を風化させないため、1990年代に入り、『東京都平和祈念館』の建設の検討が始まった。一夜にして下町の大半を焼き尽くした東京大空襲。映像や資料などはほとんど残っていないため、生き残った人たちの証言をビデオに収め、館内で上映することを目玉にした。証言したのは総勢330人。一人ひとりが全身全霊を込めて搾り出す言葉は、まさに“遺言”だった。しかし、東京都の財政難や展示内容をめぐり、関係者の意見が対立したため、2001年度にオープン予定だった祈念館の建設は頓挫。330人の証言ビデオは、全く活用されないまま倉庫に眠ることになった。東京大空襲から明日10日で66年。当時20歳だった人も88歳になる。残り少なくなった証言者たちの思いを伝える。