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イタリア・フランス編 撮影日記

コルシカ島北東部のバスティアに上陸
コルシカ島の旅が始まった
2週間にわたる北イタリアの旅を終えた僕たち撮影隊は、フェリーに乗って次の撮影地フランス領コルシカ島へと移動。およそ6時間の船旅で島の北東部にあるバスティアに上陸した。
新たにコーディネーターを務めてくれるのは、パリ在住の日本人女性マキさん。日本の中学を出て以来ずっとパリで暮らしているとのことで、フランス語はベラベラ。当然ながらコーディネーターの語学能力は取材をスムーズに進めるためにすごく重要だから、日仏語どちらも完璧というのはかなり有り難いパターンだ。そして新しいドライバーは40歳フランス男のニコラ。彼はパリ在住のカメラマンなのだが、出身がコルシカ島。四国の半分くらいあるこの島のかなり隅々まで知り尽くしているということで今回わざわざ来てくれた。
番組でも紹介していくことになるが、コルシカ島は長い歴史のなかで海の外の勢力から支配を受け続けてきた島だ。18世紀以降はフランス領になって、その言葉や文化を受け入れていきたけれど、今でも島の人たちには「フランス人である以前にコルシカ人」という自意識が根強くある。ニコラ曰く、だからコルシカ取材では道を知っているということ以上に、まず同胞であるコルシカ出身の人間が撮影隊のメンバーの中にいるということがいろんな場面で「物を言う」のだそうだ。なんとも心強い。
さて、コルシカ島に来て最初の夕食。ニコラがアレンジしてくれたバスティアのレストランに入ったのだが、ここの料理が素晴らしかった。僕が選んだのは、マキさん訳によると「コルシカの良いもの全部入りサラダ」。コルシカ沿岸で獲れた新鮮なエビ、島の内陸で育った健康なブタの肉とフルーツと野菜がクリームベースのソースで絡められた最高の一品だった。どこで何を食べてもすべてがオリーブオイル風味だったイタリアから、ソースで食べさせるフランス文化圏へ。ガラリとロケ隊の気分を変えてくれたのは、間違いなくこの夕食だった。
ディレクター 伊藤 正憲
フェリーでくつろぐバカンス客
漁港で出会ったコルシカの人々