世界の車窓から

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アルゼンチン ウルグアイ編 撮影日記

世界最南端の街並
最果ての地 ウシュアイア
アルゼンチンでの撮影中、日本人を唯一見かけたのがウシュアイアだった。
ウシュアイアは、フエゴ島の街で「世界最南端の都市」とされている。「世界最南端」という言葉は旅人の気持ちをくすぐるようで、世界中の旅人憧れの場所だ。
「最南端」の都市にあるものはすべて「世界最南端」だとされるようで、郵便局も「世界最南端の郵便局」だと謳っていたし、街中にあるポップコーン屋さんまで「世界最南端のポップコーン屋」だということを謳っていた。
気温は、夏の終わりの3月中旬でも8度ほど。年間を通して、200日以上雨が降るそうなのだが、一日の中でも天気が目まぐるしく変わっていく。そのため、毎日のように虹がかかるのだが、その様子がなんとも神秘的で「最果ての地に来たんだなあ」という感慨も深まる。
街の雰囲気も、「ここもアルゼンチンなのか?」と思うくらい、他の場所とは異なっている。アルゼンチンの景色の特徴として、広い国土面積ゆえ、道路も山も建物も、とにかく目に入る景色のスケールが大きい、ということがあると思うが、ウシュアイアは、道路幅も狭く、小ぢんまりとした印象だ。
南極まであと少しというウシュアイアからは、南極ツアーに行くこともできる。
また、往復5時間ほどのクルージングツアーに出れば、ペンギンに会うことができるし、私たちは偶然クジラの子供の尻尾も見ることもできた。一方で、世界最南端を走る列車「世界の果て号」が走る国立公園内は、青々とした木々が生い茂り、遠くには雪山を臨むことができる。
ウシュアイアは、旅人の欲求を掻き立てる神秘的な魅力がギュッと凝縮された、そんな場所だった。
ディレクター 永田奈津子
世界の果て号
桟橋の上の郵便局