2010年1月16日(土)ひる1時59分 放送 「都のかほりスペシャル 奈良が好き!〜1泊2日魅力満載よくばり旅〜」

旅人:西村和彦 田丸麻紀 田中圭、スペシャルゲスト:かとうかず子 苅谷俊介
仏像を感じる奈良

2010年は奈良の年!日本で最初の本格的な都「平城京」が置かれてから、今年でちょうど1300年。かつての都、平城宮跡に遥かな時を超え大極殿が蘇り、奈良を拠点に活動する和太鼓集団「倭」が、祝いの太鼓を打ち鳴らします。今回の旅はここからスタート。「大仏と鹿」だけじゃない、とっておきの奈良をよくばりに楽しみます!
「大仏と鹿」だけじゃない、とは言ってもやはり押さえておきたい大仏様の寺、「東大寺」。仏像に強い思い入れを持つスペシャルゲスト、かとうかず子さんが案内してくれます。世界最大の木造建築物「大仏殿」、その中に鎮座しているのが高さ15メートルの大仏様「廬舎那仏(るしゃなぶつ)像」。大きなお姿を前にすると圧倒されてしまいます。その大きさを体で感じられる場所があるんですが…、それは大仏殿の奥にある柱の穴。直径約30センチほどのこの穴は、大仏様の鼻の穴と同じ大きさとのこと。ここをくぐり抜けると良いことがある!?と修学旅行で奈良を訪れるコドモたちの間では有名なのだそう。ということで早速田中圭さんが挑戦!大人の男性では難しいのでは?と思いきや、「意外といけちゃいますよ。」と田中さん。少し引っかかりつつも無事くぐり抜けられました。2010年良い年になりそうですね。
大仏様を堪能した後は、ならまちの風情ある町並みを散策。途中、良い香りに誘われて地鶏を焼いてくれる焼き鳥屋さん「とり末」にちょっと寄り道。お店のお母さんや地元の方々との会話も旅の楽しみです。

続いて、かとうさんの案内で一行は「新薬師寺」へ。かとうさんのお気に入りは、本尊の薬師如来を守っている神々、十二神将。現存する最古最大の十二神将です。土で作られた塑像のため、もろく壊れやすいにも関わらず、1300年の時を超え今なお堂々としたお姿を見せてくれます。「歴史からというよりは、感覚的に仏像を愛でる」というかとうさん。かしこまらず、旅人3人も思い思いに仏像を感じてみます。「若干、疲れてるんだよ!」「きっと後輩を怒ってるんじゃない?」と今までにない仏像の見方をすることで、仏像がとっても身近なものになったようです。

伝統と進化とこだわりの奈良

今もなお伝統が息づく町、奈良。万葉の昔から、神の山と祀られてきた、三輪山の麓は、そうめん発祥の地。この地で300年前から、伝統の手延べ製法を守り続けているのが、「三輪そうめん山本」。ここに世界一細いそうめん「白髪」があります。その細さ、従来のそうめんのなんと1/3、感動的な細さです。
菩提山正暦寺は清酒発祥の寺。濁り酒しかなかった時に、もち米から作られる紹興酒の作り方が伝わっていたことから、その原料をうるち米にしてみると、透明な酒、清酒が出来たそうです。その酒が評判となり、この寺は大変な利益を得たという記録も残っています。その額は今のお金に換算すると3億円!今でも酒の元となる酒母を毎年作り、奈良県内の11の蔵元に卸し、それぞれ特徴ある清酒が生み出されています。


伝統の中から生まれた新しいものを味わった3人は、再びかとうさんと合流し、中華料理の名店「杤(とち)」へ。この店の特徴は、中華料理には珍しいオープンキッチン。作ってる手元が全部見えるんです。「素材とそれを調理する過程まで見ていただいてお口に運んでもらえる。安心して食べてもらいたい。」という店主の杤康憲(とちやすのり)さん。目の前の手際の良い調理を見ながら、ただよってくる香りが更に食欲をそそります。およそ中華では見られない霜降りのサーロイン。割っても割っても黄身のないびっくりの卵料理、めったにお目にかかれない高級食材のセミ海老。とびっきりの料理を用意してオープンキッチンでお迎えするのは、お客様の喜びや驚きの声を直接聞きたいから。ならまちで出会った料理人のこだわり、しかと、楽しませていただきました。


鹿がのんびりと散歩している中、朝のランニングを楽しんでみる田中さん。
お茶好きの田丸さんは、専門店で美味しい薬膳茶をいただいてみたり…。
書家の奥さんにプレゼントするため、西村さんは伝統ある奈良筆作りに挑戦。 思い思いに自分だけの奈良を見つけて楽しむ。これも旅の醍醐味です。

古代ロマン・奈良

奈良県には大小合わせて9000もの古墳があります。その多くは、3世紀から7世紀ごろのもの。まだまだ判らないことも多く、日々調査研究が進められています。子供の頃から古墳が大好きだったという西村さん、この日の古墳めぐりをとっても楽しみにしていたそうです。しかも俳優で考古学研究者でもある2人目のスペシャルゲストの苅谷俊介さんが案内してくれるということでさらにテンション上がりまくりです。一行は、古墳の中の石室に入れるという珍しい古墳、天王山古墳(てんのうざんこふん)へ。一見小さな山の見える古墳に突然現れた穴。西村探検隊、潜入です!中に入り、言葉を失った西村さんと田中さん。高さ4.2メートル、奥行き8.5mの石室は、大きなものでは5トンにもなる大きな石が、絶妙なバランスで積まれているのです。機械がなかったころ、これほど大きな古墳をつくることは、どれほど大変だったか。考古学のエキスパート、苅谷さんの解説に、ますます興奮の西村探検隊。

次に向ったのは、西村さんが「ここも絶対はずせない」とこだわった箸墓古墳(はしはかこふん)。ここは今日本で最も有名かもしれない古墳。何故なら、最近の調査で、ここが卑弥呼の墓であるという説が有力になっているのです。古い書物にも箸墓古墳の記述がみられ「相当特殊な古墳」と苅谷さん。町の中に忽然と姿を現す古墳に、感動の旅人3人です。

古代ロマンを堪能した一行が苅谷さんに連れられて訪れたのは、しゃぶしゃぶの、「鹿の子(かのこ)」。奈良の中でもここでしか食べられない、幻の牛肉があるんだとか。それは、奈良生駒で梅酒の梅を餌に育てられる生駒牛。厚めに切られたしゃぶしゃぶの肉。いざ、しゃぶしゃぶと思いきや、御主人が意外なことを言い出しました。

「生でポン酢で召し上がってください。」驚きの一同、しゃぶしゃぶのお肉を生で?そのお味は?…美味しすぎて笑いしか出来てきません(笑)口の中でとろけちゃうお肉。しゃぶしゃぶしてみても…やっぱり笑いが!しかも自家製のポン酢とゴマだれにつける食べ方、これがとっても合うんです。更に!一頭から10キロしかとれない貴重なヘレ肉のステーキも!「何これーっ」とびっくりの田丸さん。苅谷さんと大満足の一時を味わいつくしました。









奈良県内にある多くの遺跡から発掘されるガラスはシルクロードを経て伝わってきた文化です。苅谷さんの遺跡の話に刺激を受けた3人は、奈良ガラス工房へ。ここでガラス細工に挑戦です。西村さんと田丸さんはフュージングという技法でアクセサリー作りに挑戦。フュージングとは、板ガラスを切って並べて模様を作り焼きあげるだけの簡単なガラス細工。器用にガラスを切っていく西村さん。

…田丸さんはというと…ちょっと苦戦中のようです。でも先生の指導のもと、素敵なペンダントヘッドが出来ました。田中さんは吹きガラスでグラス作り!1300度の熱で溶かしたガラスを巻き取るのですが、これがなかなか…難しいようです。熱しては吹いて膨らまし、色ガラスを表面に付け模様を作る。これを何度か繰り返しグラスを作っていきます。真冬なのに、田中さんの額には汗が噴き出します。徐々に形を整え口を開くとグラスらしくなってきました。あとは、一晩かけてゆっくり冷ますだけ。初めてとは思えない素晴らしい出来栄えのグラスが完成です。実際にガラス作りを体験することで、当時の人達も同じように感動したのかと思いを馳せると、心に熱いものを感じます。

都の贅沢を味わう奈良

奈良公園のほど近く、武家屋敷を改装したイタリアンのイ・ルンガ。昨年8月のオープンながら、すでに奈良を代表する人気店です。本場イタリアで、日本人として初めてミシュランの星を獲得した堀江純一郎(ほりえじゅんいちろう)シェフ。奈良で店をやりたいと東京西麻布から移り住んできた、奈良を愛する料理人です。堀江さんの手にかかると、地元の食材が彩も鮮やかなイタリアンに生まれ変わります。奈良の伝統野菜、宇陀金ゴボウの包み焼きは、大和地鶏の卵と黒トリュフのソースで頂きます。地元の食材をふんだんに使った料理があれば、世界中から集めた選りすぐりの食材を使った料理もここでは味わえます。それを堀江さんは「都の贅沢」と言います。人、物が集まってくる都だからこその料理なのです。奈良でしか出来ない空間と料理。究極の「都の贅沢」を堪能できます。


旅人をいつも温かく迎えてくれる悠久の都、奈良。楽しんでいただけましたか? でも、まだ他にも見せたいものがあるんです!
「粟ならまち店」の自慢は、自家生産された奈良の伝統野菜。ヘルシーで美味しい料理をたっぷりと味わえます。落ち着いた佇まいの店「玄」。石臼で挽いた十割そばは、こだわりの逸品。夜は一日二組限定です。一本の木から命を削り出す荒木義人(よしんど)さん。平安時代から続く「一刀彫(いっとうぼり)」は荒々しさの中に繊細さを秘めています。陶芸家・武田高明さんは、赤膚焼の技法で「燈火器(とうかき)」を作り上げました。幻想的な灯りが、奈良の町に溶け込みます。奈良の夜空を焦がす冬の風物詩、若草山の山焼きももうすぐ。平城京からちょうど1300年目の今年、是非みなさんも奈良に旅してみませんか?

  1. フォトギャラリー 奈良の情景をお楽しみください。

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