祇園周辺をカメラ片手に散策していた二人。何やら人だかりが出来ているというのでのぞいてみたのが、ゑびす神社。この日はちょうどお火焚き祭が行われていました。冬を前に、火の神様に安全を祈るお祭なのだそうです。彼女たちも参加して、この祭の名物、焚き火に直接投げ入れられた「焼きミカン」をおすそ分けしてもらいました。


また境内には、鳥居の上に恵比寿様とお賽銭用のザルのようなものが!!ここにお賽銭が入ると願い事が叶うんだそうです。片瀬さんと内山さんも、地元の方に教えてもらいながら夢中になって投げ入れます。


日本最古の禅寺、建仁寺。多くの人々で賑わう祇園にありながら、境内に一歩入ると静けさに包まれます。優美な銅板葺の屋根が印象的な方丈の前庭は、枯山水の「大雄苑」。冬、南を向いたこの庭は、お日様が優しく降り注ぎます。「簡素に生きる。これが一番の贅沢。」という禅の教え。まさに寒い冬、陽の光は一番の贅沢かもしれません。旅人二人もしみじみと太陽の温もり感じます。

またこの冬、建仁寺の塔頭両足院では、江戸時代の天才画家、伊藤若冲が描いた掛け軸が特別公開されます!ただ美しいものではなく、ありのままの花や草木、動物を描いた若冲の作品には、盛者必衰、諸行無常といった哲学が込められています。こちらも必見です。



京都の景色を40年以上撮り続けてきた、写真家、水野克比古さん。写真好きの二人は、彼のギャラリーを訪ねました。町家を改装したギャラリー内には、京都の美しい写真がズラリと並びます。片瀬さんと内山さんの目に止まったのは、夕暮れ時雪に包まれた八坂の塔。四季折々様々な表情を見せてくれる八坂の塔は、水野さんにとっても大好きな被写体の一つなんだそうです。


今日はどんな写真が撮れるかな、と3人は早速出掛けます。塔といえば、お寺の境内に荘厳とそびえ立っていますが、八坂の塔は町並みに溶け込み、私たちのすぐ傍に佇んでいます。だから親近感が湧くんだよ、と水野さん。それぞれ、思い思いのアングルでお気に入りの一枚を撮影します。


夕暮れ時、祇園の街はさらに賑わいをみせはじめます。そんな八坂神社のすぐ脇に、冬にこそ訪れたい隠れ家のような旅館があります。


名物はなんといっても「柚子」。この季節、一般には出回らない京都水尾の香り高い柚子が使われます。ふんだんに柚子を浮かべた柚子風呂は、美肌効果があるんだとか。贅沢に果汁を絞った柚子ダシのお鍋は絶品です!!「今度はお母さんを連れてきたいね。」とお互いのお母さんを良く知る二人は家族の話で盛り上がります。


朝6時、二人がやってきたのは西行庵。平安後期に活躍した歌人・西行法師が、晩年を過ごした地に、ひっそりと佇むお茶室です。

ピンと澄み切った空気の中、体験できるのが「朝茶」。西行にお香とお茶をお供えする儀式に参列した後、朝のすがすがしい一服を頂けます。お茶を点てる心地よい茶筅の音、小鳥のさえずり、朝の光が障子にうつす木々の模様。この時間、この空間だからこそ味わえる一期一会のひとときです。



浄土宗総本山、知恩院。国宝の三門は、現存する木造の二重門としては日本最大です。三門は、空・無相・無願という、悟りに通ずる三つの解脱の境地を表わします。だから三門の「さん」は「山」ではなく「三」なのだとか。そして楼上には荘厳な仏の世界が広がります。天井から柱まで全体に施された華麗な極彩色、中央に鎮座する釈迦牟尼仏像、脇を囲む十六羅漢像、圧倒的な迫力です。通常は非公開ですが、この冬、特別公開されます!

また、知恩院には有名な七不思議があります。その一つは、御影堂にあります。正面の軒裏に置かれた傘の骨組み。狐の贈り物と伝えられていますが、水と関係があるので、火災から守るものとして、今日も信じられています。

  1. フォトギャラリー 京の情景をお楽しみください。

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