世界の車窓から

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タイ編 撮影日記

ラオス唯一の鉄道駅タナレーン
104ヶ国目! ラオスの鉄道
1987年6月1日に放送を開始して以来、今年で29年目を迎えた世界の車窓から。長い歴史の中で、世界各国、津々浦々の鉄道を旅してきたが、5月22日放送回において、記念すべき104ヶ国目の国を訪れることになった。新たな国に突入するのは実に5年ぶりのこと。(ちなみに5年前はサウジアラビアだった)今回、世界の車窓からが初めて訪れた国は…ラオス!!
インドシナ半島の内陸国ラオスの鉄道は、フランス植民地時代に敷設され、第二次世界大戦中使われていたが、その後は廃線となり、長らく陸の孤島と化してきた。しかし2009年、遂にタイとラオスを結ぶ国際列車が開通したのだ。国際列車というだけあって、駅のホームにはイミグレーションがあり、乗客は駅舎内で出入国手続きを行わなければならない。ほとんどが、列車での国境越えを楽しむ観光客。皆ワクワクしているようだった。我々も未知の国への期待感と、記念すべき回の使命感で胸が高鳴っていたが、それにも増して撮り逃すまいとする緊張感の方が強かった。なぜなら、このラオス唯一の鉄道、わずか6キロ、10分ほどしか走っていないのだ。出発してすぐに国境があるメコン川を越え、ラオスの地を踏み、ラオス唯一の踏切を過ぎると、あっという間に終点に到着。その間カメラマンは、車内の様子、車窓風景、到着、降車する乗客と、10分間の激闘を繰り広げていた。
今はまだ国境を越えるだけのわずかな距離だが、いずれは終点駅から20キロ先の首都ヴィエンチャンまで鉄路をつなぐ計画が検討されている。さらに、将来的には中国の雲南省やベトナムの首都ハノイとつながる鉄道の計画もある。
ラオスの夢がたっぷり詰まった国際列車。次回訪れるとき、どこまで線路が延びているか楽しみだ。
ディレクター 二田 靖章
メコン川を渡ればすぐラオス
ラオス唯一の踏切(踏切は手動)