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ドイツ編 撮影日記

船に積まれデンマークへ向かうICE
海を渡る国際列車
福本ディレクターをはじめ大先輩たちに囲まれて、ドイツロケに参加してきた。次のデンマーク編では、はじめてディレクターを担当することになっている。13日目は密かにドキドキしていた。「渡り鳥ライン」と呼ばれるルートを走り、デンマークへ入国するからだ。船旅気分も味わえるこの国際列車は、取材候補として数年前から提案していただけに、実際に取材ができることになり嬉しくてドキドキしていたのだ。
乗車する列車は4両編成のICE。撮影の都合で一等車の座席を予約していた。どんよりした曇り空のもと出発すると、鉄道スタッフが笑顔でやってきて「コーヒーはいかがですか?」と聞かれた。さすが国際列車!優雅だなと思ったら、しっかりお金を請求された。新幹線の車内販売と同じかと思いつつ、無料サービスと勘違いした数名分を支払った。
ドイツ最後のプットガルデン駅で、運転士はドイツ鉄道からデンマーク国鉄に交代。列車はレールが敷かれたフェリーの船倉にゆっくり入り、大きなトラックと並んで停車した。1時間ほど、乗客たちはデッキや船内のレストランでのんびり過ごす。国際航路らしく免税店もあったが、我々はデッキの様子を撮影し、すぐに薄暗い船倉に戻り、船中に佇む列車を撮影しながらデンマークに着くのを待っていた。船の扉が開くと見えてきたのは、ウソみたいな青空と無機質な港の風景。ハンブルク滞在中、霧や雨が続いていたこともあり、明るい空を見て国を移動したことを実感した。
デンマーク最初の駅で、我々の現地スタッフも交代。ドイツの撮影を支えてくれたコーディネーターとドライバーは再び船に乗り、ベルリンへと帰っていった。新たなメンバーが加わり、撮影をスタート。デンマークに入ると、途中駅から人が沢山乗ってきて、出発時の優雅さはどこへやら、通路まで乗客があふれてギュウギュウ詰めになった。ひとつの列車移動の間にいろんな変化があった。首都コペンハーゲンに着いて人魚姫の像を撮影するまで、ドキドキ感は止まらなかった。
アシスタントディレクター 渡部博美
にぎやかなICEの車内
デンマーク最初の駅に停車中