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デンマーク編 撮影日記

カーニバルのパレード
北欧のラテン
高速列車インターシティ・リュンは、デンマークで最も大きな街、首都のコペンハーゲンから順番に、第3の都市オーデンセを通り、第2の都市オーフス、第4の都市オールボーと1〜4番目まで大きな街を通り抜ける。コペンハーゲンから離れるほど、ローカルな雰囲気になるのかなと勝手に思っていたが、全く想像とは違い、オールボーより先のデンマーク最北端の街スケーエンまで行っても、オシャレなレストランがいくつもあり、夕暮れ時にはテラスでライブが始まったりと、田舎っぽさを感じることはなかった。
4番目に大きな街オールボーに暮らす人々は20万人ほど。中心街はコンパクトにまとまり、歴史的建造物のイェンス・バング邸から4、5分歩けばお酒を楽しめる横丁に辿り着く。到着した日はサッカーの試合があったがデンマークのサッカーファンはドイツで出会った熱狂的なサポーターと様子がまるで違う。試合を見に行く前に、待ち合わせがてら、のんびりお酒を飲む姿がチラホラ見られた。聞けば、デンマークのサッカーファンはマナーが良いことで有名なんだそう。街を撮影してまわり、オールボーは落ち着いた雰囲気の街なんだなと思っていた。
しかし、街の一大イベント‘カーニバル’の最終日は朝から街の様子が違った。あちこちから、様々なコスチュームを身にまとった人たちがやってくる。カーニバルということで、いわゆるサンバダンサーの姿もあったが、最終日は誰でも参加自由。まさに多種多様な衣装が見うけられた。10時、パレードがスタート。この街の住人の大半が参加しているんじゃないか?と思えるほど、沢山の人で道路は埋め尽くされた。そして、皆さんとっても陽気。デンマークは“北欧のラテン”と言われるワケが少し分かったような気がする。5月はまだ少し寒いけれど、デンマークの人々にとっては、貴重な暖かな季節。街全体でお祭りを楽しむ意気込みが感じられ、静かな街の別の一面、いや真の一面を垣間みることができた。
ディレクター 渡部博美
オールボーの横丁
仮装を楽しむ人々