世界の車窓から

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秋の中央アジア3カ国 と中東ドバイの旅編 撮影日記

トルキスタンの祭りに集まった少女たち
トルキスタンで車窓ロケ満喫!
カザフスタンを地図で見ると、その大きさに驚く。国土面積は272万4900㎢。実に日本の約7倍、世界第9位、内陸国では世界第1位の広さを誇る。今回の旅は、東南部から南部にかけてのほんの一部しか回っていない事が分かるが、町や人々の雰囲気はだいぶ変わる。
世界遺産ヤサウィー廟を目指し訪れたトルキスタン。駅のホームはたくさんの売り子たちで活気に満ち溢れ、人々は地方特有の人懐っこさで話しかけてくる。
彼らが外国人と話す時に使うのは、基本的にロシア語。少しカザフ訛り。我々、日本人の撮影隊はだいたい中国人か韓国人に間違えられる。「カレー屋?」とか「カレー屋、好き?」と聞いてくるので何かと思ったら、カレー屋はコリア(韓国)で、「スキ」が付くと韓国人となる。我々が日本人だと答えると、彼らはとても歓迎してくれる。特に具体的な理由があるわけではなく、日本に対して何となく良いイメージがあるようだ。実際、乗客などに撮影交渉する際、現地ガイドは断られても、我々から話すと一転、喜んでOKしてくれる。改めて日本のすごさを感じる。
前述した通り、トルキスタンのお目当ては世界遺産のヤサウィー廟。ヤサウィーは、12世紀にこの地にイスラムを布教した聖者。廟は中央アジア有数のイスラム教徒の聖地。車窓のロケではこうした遺跡を訪れることが多々あるが、そんな時悩ましいのが町の特徴をどう紹介するか。遺跡があるという事だけではなく、そんな遺跡がある町がどんな所でどんな人たちが暮らしているか。文化や歴史にも触れたい。地方都市は事前情報に限りがあり、現場で仕入れる事になる。
モヤモヤしたままトルキスタンの町に出ると、幸運にもその日は町の創設を祝うお祭りが開かれていた。トルキスタンは、この地域を指す歴史的な名称で、それが町名に使われている事から考えると、この町がトルキスタン地方の中心地である事が伺える。祭りではみんな思い思いの民族衣装を身に纏い、伝統の楽器演奏やダンスに興じている。楽しげな彼らの姿からは、町の歴史・文化を受け継いでいる事への誇りと喜びを感じ、気づけばモヤモヤは消えていた。
旅先での発見、気付き。車窓ロケの醍醐味にテンションが上がる。
ディレクター 廣澤 鉄馬
夕暮れのヤサウィー廟
フレンドリーな乗客たち