2025年6月21日(土)放送

- 大家族で大空間 全開放ワンルームの家 - 東京都あきる野市・田村邸

竣工
2022年3月
敷地面積
182.7㎡(55.3坪)
建築面積
67.8㎡(20.5坪)
延床面積
97.9㎡(29.6坪)
構造
木造ラーメン構造
建築費
1948万円(税込)
坪単価
66万円

北面 外観

南側で雑木林に接した敷地。建物自体はシンプルな箱形で、外壁は水性塗料をDIYで塗装しました。アプローチは蛇行するように石を敷き詰め、玄関へと続きます。

1階 土間

屋内は、5枚の門型フレームによって支えられた完全ワンルーム。石畳のアプローチがそのまま家の中心を貫く土間となって奥の雑木林へ抜けるという大胆なプランです。

1階 LDK/2階 居室

5枚の門型フレームの隙間が、収納や6人家族それぞれの寝室になります。竣工時は、がらんどう状態で、内部はDIYによって暮らしながら造っています。

1階 台所から土間を見る

アイランド型の台所を建物に対して斜めに配置。これによって、家全体を見渡せる他、雑木林の景色も視界に入ります。

門型フレーム

門型フレームは、木造トラスを合板で挟み込んだ造りとなっています。玄関側から徐々に高くすることで、雑木林の景色をよりダイナミックに取り込みます。

1階 土間

土間を挟んだ東側が、LDKと居室のある居住エリア。西側、トイレ、浴室、収納といった機能エリアとなっています。

設計者プロフィール

加藤渓⼀

2008年 武蔵⼯業⼤学(現・東京都市⼤学)⼤学院⼯学研究科建築学修⼠課程 修了
2008-10年 MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO 勤務
2010年 スタジオピース 設⽴
2020年- 株式会社スタジオピース⼀級建築⼠事務所 代表取締役
事務所名
株式会社スタジオピース⼀級建築⼠事務所
所在地
東京都⼋王⼦市明神町4-16-18
電話
-
FAX
-
Eメール
info@sps-architects.jp
URL
-

設計者のひとこと

敷地は宅地造成によって引き込まれた私道の突き当たり。奥には緑豊かな雑⽊林が広がる。そこに向かって⼦供たちが⾛り抜け、⾵や光が通り抜ける。そのような、気持ちの良い住処になりそうな素材は揃っていました。
道を雑⽊林に向けて通し、それを跨ぐように5枚の幅の広い⾨型フレームを架けます。構造の⼯夫により、スパン5.5mの気積の⼤きな無柱空間となり、雑⽊林の⾵景を室内いっぱいに取り込みます。
内部にまで引き込んだ道(⼟間)では、近くの畑で取れた泥付きの野菜を処理する。脇にあるオープンキッチンで調理をして、丸いカウンターを囲んで⾷べる。床との段差に腰掛けておしゃべりをしている脇を⼦供たちが⾛り抜ける。ロープを渡して洗濯物を⼲す。そんな暮らしの光景はさながらどこかの国の街路のようにも⾒えてきます。
良い環境を活かすのに複雑な操作は必要ありません。⼿数やコストはかけずとも空間を贅沢にすることができました。