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秋の展覧会

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20221114日(月)

「響きあう名宝」

国の重要文化財「明治生命館」の1階に今年10月開館した静嘉堂@丸の内。ここで開催されている展覧会「響きあう名宝」を紹介します。三菱第2代社長・岩ア彌之助とその息子・小彌太によって収集された国宝4件を含む50件の美術品が公開されています。
今回の展覧会で一番の注目が国宝の茶碗「曜変天目(ようへんてんもく)」で、世界中に三つしかない、完全な形で現存するもののうちの一つが展示されています。曜変天目は、光の具合によって表面の斑紋がまるで宇宙の星のように美しく浮かび上がって見えるのが特徴です。岩ア小彌太は生涯この茶碗でお茶をたてたり口をつけたりせず、大切に扱ったと伝えられています。
そして天下一の名物≠ニ謳われた「付藻茄子(つくもなす)」は、丸ナスのようなふっくらとした形が特徴の茶道具で、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らの天下人が賞賛し、長く手元に置いて愛した茶入れです。
この展覧会では、さらに江戸時代後期の絵師・酒井抱一(ほういつ)の作品も紹介しています。抱一の「絵手鑑(えてかがみ)」は72図からなる作品で、やまと絵や中国画から選ばれたモチーフの豊かさが特徴です。会場では前期と後期で展示替えをし、現在は紅葉した蔦の葉などの絵を公開しています。
会期:2022年12月18日(日)まで
住所:東京都千代田区丸の内2-1-1 明治生命館1F
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:午前10時〜午後5時(金曜は午後6時まで)
休館日:月曜
入館料:一般 1,500円(日時指定予約制)
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.seikado.or.jp/
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20221115日(火)

「デミタスカップの愉しみ」

八王子市夢美術館で開催されている「デミタスカップの愉(たの)しみ」を紹介します。濃いめのコーヒーを飲むための小ぶりなカップ「デミタス」を約340点集めた展覧会です。
デミタスは、1700年代にフランスで誕生したと考えられており、コース料理などを締めくくる食後のコーヒーに使われ、広く愛されてきました。その細かな装飾や贅を尽くした美しさが特徴です。
1900年頃のフランスで作られた「プリカジュール草花文 カップ&ソーサー」は、現在では再現が困難とも言われる技法を使って作られた貴重なデミタスです。透かし彫りの部分にエナメルを埋め込む「プリカジュール」という技法が使われていて、光に透かしたときにステンドグラスのような輝きがあります。
また、花の形をモチーフにしたものや、カップとソーサーはキャベツの形で持ち手はロブスターのハサミというダイナミックなものなど、個性的なデザインがあるのもデミタスの魅力です。上からのぞいて愉しむデミタスもあります。デミタスには濃いめのコーヒーを入れるため、通常、内側は装飾しませんが、飲み終えた後も優雅なひとときを過ごしてほしいという作り手の思いから、内側にも装飾があるデミタスが作られました。
19世紀後半、ヨーロッパでは日本の美術工芸に注目が集まり、日本の窯元は、職人の巧みな技術を用いたデミタスを生産していました。会場では、欧米の人々を驚かせた日本製の絢爛豪華(けんらんごうか)なデミタスも見ることができます。
八王子市夢美術館「デミタスカップの愉しみ」
会期:2022年11月27日(日)まで
住所:東京都八王子市八日町8-1ビュータワー八王子2F
電話:042-621-6777
開館時間:午前10時〜午後7時
休館日:月曜
観覧料:一般 900円 65歳以上450円
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.yumebi.com
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20221116日(水)

「鉄道と美術の150年」

東京ステーションギャラリーで開催されている「鉄道と美術の150年」を紹介します。1872年の鉄道開業から現在までの鉄道史をたどる、鉄道をモチーフにした150作品を展示しています。
まずは、三代・歌川広重の浮世絵を紹介。新橋で行われた鉄道の開業式が描かれています。当時の鉄道はすべて外国製だったため、開業式で運転をした機関士も外国人でした。そのため、この浮世絵には外国人の姿もたくさん描かれています。
幕末から明治時代にかけて活躍した勝海舟が宮中で描いたとされる作品も見ることができます。勝海舟は、アメリカで実際に鉄道を見ていたことから、明治天皇に説明するのにふさわしい、鉄道の知識がある人物ということで、この絵を描いたと言われています。この鉄道の開業によって、多くの芸術家たちが自らの作品の中に鉄道を取り入れていきました。明け方の夜行列車の車内の様子が描かれた「夜汽車」は、当時の車内の様子をリアルに想像できる臨場感のある作品で、日本の鉄道絵画で最も有名な作品と言われています。
会場では東京駅を描いた作品も展示しています。東京駅が完成してから約20年後の昭和初期に描かれたもので、創建当時の東京駅とかつての東京中央郵便局が共存していた15〜16年の間に描かれた、貴重な作品です。
東京ステーションギャラリー「鉄道と美術の150年」
会期:2023年1月9日(月・祝)まで
住所:東京都千代田区丸の内1-9-1
電話:03-3212-2485
開館時間:午前10時〜午後6時 (金曜は午後8時まで)
休館日:月曜(1月2日・9日は開館)、12月29日(木)〜1月1日(日)
入館料:一般 1,400円
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.ejrcf.or.jp/gallery
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20221117日(木)

「野口里佳 不思議な力」

東京都写真美術館で開催されている「野口里佳 不思議な力」を紹介します。写真家・野口里佳さんは独自の視点から、不思議さに溢れた世界を撮影してきました。
まずは、「不思議な力」と題された作品シリーズを紹介。身の回りにある、目に見えない力に着目した作品です。スプーンを磁石でこすってスプーンに磁力を生じさせ、その先端に指輪をくっつけた瞬間を撮った作品や、コップの水の表面張力を切りとった1枚、また卵が水中で浮かぶ写真など、日常の小さな不思議を表現しています。
野口さんが1995年に発表し、写真家として広く知られるきっかけになった作品も展示されています。京葉線に乗り、ひと駅ごとに降りては撮った写真の一つで、潜水服のまま歩いていた不思議な人に付いて行き、練習用のダイビングプールに辿り着いたという作品です。日常と非日常が混ざったような印象が魅力です。
そして、「父のアルバム」という作品は、亡くなった野口さんの父親が残したネガをプリントしたもの。父親の視線を追体験して感じた“不思議な力”を伝えようとしています。野口さんの父親の、家族へ注いでいた愛情が感じられる作品です。
東京都写真美術館「野口里佳 不思議な力」
会期:2023年1月22日(日)まで
住所:東京都目黒区三田1-13-3恵比寿ガーデンプレイス内
電話:03-3280-0099
開館時間:午前10時〜午後6時 (木・金曜は午後8時まで)
休館日:月曜(祝日の場合は翌日)年末年始
入館料:一般 700円 65歳以上 350円
(日時指定予約制)
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://topmuseum.jp/
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20221118日(金)

「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」

府中市美術館で開催中の「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」を紹介します。「アーツ・アンド・クラフツ」とは、19世紀のイギリスで起こったデザイン革新運動で、美しい自然をモチーフに、丁寧に手仕事で作られたもので人々の暮らしを彩っていこうとする運動です。
その提唱者はイギリス人デザイナー、ウィリアム・モリス。モリスがデザインした壁紙「格子垣」は、部屋にいながらにして庭の雰囲気を味わえるような作品です。モリスは、「全ての人の生活に美を」という考えを掲げて制作していました。18世紀後半のイギリスでは産業革命による近代化が起こります。それに対してモリスは、人々が自然を愛する心や手仕事の喜びを取り戻し、生活の中で「美」を感じられる社会を目指しました。特に人気だったデザインが「いちご泥棒」。いちごをくちばしで咥えている鳥たちの様子が表現されています。版木を24枚も使い、版を重ねながら布を染めて作った、手仕事の良さが味わえる作品です。
「すべての人の生活に美を」と掲げたモリスの考えは、多くのデザイナーたちの共感を呼び、ヨーロッパだけでなくアメリカにまで及びました。その一つがジュエリーブランドとして有名なティファニーの2代目が制作した「三輪のリリィの金色ランプ」です。ユリの花をモチーフとし、カサの部分がガラスで作られたランプです。この作品も、モリスの「自然を尊ぶ」という考え方がつながっていると見ることができます。
府中市美術館「アーツ・アンド・クラフツとデザイン」
会期:2022年12月4日(日)まで
住所:東京都府中市浅間町1-3
電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)
開館時間:午前10時〜午後5時
休館日:月曜
観覧料:一般900円
※最新の開館情報は展覧会HPでご確認ください
HP:https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
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