東京サイト 毎週月〜金 午後1時45分から

バックナンバー

テーマ
有毒植物にご用心

1週間分の動画はこちら
※ここから先はYouTubeです

2022411日(月)

「山菜の誤食@」

様々な植物が芽生え始めるこの時期、山菜にそっくりな有毒植物に注意が必要です。そこで、東京都薬用植物園で山菜と有毒植物を見分けるポイントを伺いました。
「セリ」と似ているのが有毒植物の「ドクゼリ」です。誤食すると、おう吐や下痢、けいれんなどを引き起こします。
見分けるポイントは葉の“におい”。ちぎった葉を軽く揉んでにおいを嗅ぐと、セリは特有の香りがしますが、ドクゼリは香りがしません。そして「フキノトウ」とよく似ているのが、芽吹いた直後の有毒植物「ハシリドコロ」。誤食すると、おう吐やこん睡、呼吸停止などの重篤な症状を引き起こします。見分けるポイントは“表面の毛”。フキノトウの表面には白い綿毛が生えていますが、ハシリドコロにはほとんどありません。
「オオバギボウシ(ウルイ)」と有毒植物の「バイケイソウ」は、葉の形がよく似ています。誤食すると、下痢やおう吐、けいれんなどの症状を引き起こします。見分けるポイントは葉の“模様”。オオバギボウシは、中心の線(主脈)から放射線状に囲うような模様ですが、バイケイソウは葉の付け根から先端に向かって平行線のような模様になっているので、見分けることができます。
東京都薬用植物園 主任研究員の中村さんは、見分けがつかない場合は「採らない・食べない・人にあげない」という判断が必要だと話していました。
TOPヘ戻る

2022412日(火)

「山菜の誤食A」

山菜の「ニリンソウ」と見た目が似ているのが、有毒植物の「トリカブト」です。誤って食べてしまうと下痢やおう吐、手足のまひなどの症状を引き起こし、最悪の場合、死に至るケースもあります。見分けるポイントは、“花びらの色”。ニリンソウは春に白い花が咲き、トリカブトは秋に紫色の花をつけます。
「モミジガサ(シドケ)」もトリカブトとよく似ている山菜です。見分けるポイントは、葉の“切れ込み”。モミジガサは葉の切れ込みが浅く、手のひらのような形ですが、トリカブトの葉には切れ込みが深く入っています。
「ギョウジャニンニク」と間違われやすいのが、「イヌサフラン」の若葉です。芽生え始めるこの時期、よく似ているので注意が必要です。誤ってイヌサフランを食べてしまうと、おう吐や下痢などの症状を引き起こし、重症の場合は死に至るケースもあります。見分けるポイントは葉の“におい”。葉を軽く揉み、においを嗅ぐと、ギョウジャニンニクはニンニクのようなにおいがしますが、イヌサフランは特ににおいがしないということで区別することができます。
TOPヘ戻る

2022413日(水)

「観賞用植物の誤食」

日本国内で最も多い植物の誤食事故が、「ニラ」と間違えて「スイセン」を食べてしまうというものです。スイセンを誤食すると、おう吐や下痢などの症状を引き起こします。見分けるポイントは、“におい”です。ニラの葉を軽く揉むと特有のにおいがしますが、スイセンはにおいがしません。ニラとスイセンは見た目がとても似ているため、同じ場所では栽培しない、ということもとても大切です。
園芸植物として市販されている「グロリオサ」も有毒植物のひとつ。芽が出る前の球根は、「ヤマイモ」に似ているため、注意が必要です。誤って食べてしまうと、発熱やおう吐、臓器の機能不全などの症状を引き起こし、最悪の場合、死に至るケースもあります。見分けるポイントは、“ひげ根”。ヤマイモには全体にひげのような根が生えていますが、グロリオサの球根にはありません。またヤマイモはすりおろすと粘り気がありますが、グロリオサの球根はすりおろしても粘り気が出ないというのも特徴です。
春に花を咲かせる「カロライナジャスミン」は、その名前に惑わされやすい有毒植物です。ジャスミン茶に使われる花と間違って飲んでしまい、食中毒を起こした事例があります。ジャスミン茶に使われるのは、マツリカの白い花ですが、カロライナジャスミンは黄色い花を咲かせます。
TOPヘ戻る

2022414日(木)

「根菜の誤食」

根菜に似ている有毒植物にも注意が必要です。
「サトイモ」とよく似ている有毒植物が「クワズイモ」。クワズイモとサトイモの葉は非常によく似ていて、専門家でも見分けるのが難しいため、特に注意が必要です。誤食すると、口の中が腫れたり、胃痛などの症状が起きたりします。また、茎を折ったりした時などに染み出て来る汁に触れると、皮膚炎を起こすこともあります。見分けるポイントは、“根元の形”。サトイモはかたまり状になっていますが、クワズイモは棒状になっています。
「ゴボウ」とよく似ているのが、有毒植物「チョウセンアサガオ」の根。誤食すると、おう吐や呼吸の乱れなどの症状を引き起こします。見分けるポイントは根の“丈夫さ”。ゴボウの根が繊維質で折れにくいのに対し、チョウセンアサガオの根は比較的折れやすいのが特徴です。葉の”生え方”にも違いがあり、ゴボウの葉は、地下の根の部分から直接生えていますが、チョウセンアサガオの葉は茎の部分から生えています。
東京都薬用植物園 主任研究員の中村さんは、見分けがつかない場合、「採らない・食べない・人にあげない」という判断が必要だと話していました。
東京都のホームページ内の「東京動画」では、有毒植物の見分け方を解説している『令和3年度 食の安全都民講座“これ食べられる?有毒植物の見分け方講座”』の動画を、5月9日までオンラインで見ることができます。
令和3年度 食の安全都民講座
「これ食べられる?有毒植物の見分け方講座」
5月9日まで配信

東京都福祉保健局HP:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/forum/tominkoza/tominkozar3-4.html
TOPヘ戻る

2022415日(金)

「薬用植物園の役割」

小平市にある東京都薬用植物園では、漢方や医薬品に使われる750種類以上の植物を栽培し、薬用植物の正しい知識の普及などを行っています。
栽培研究室では、主に植物の鑑別試験を行っています。市販されている健康食品などに、本来は医薬品でしか使えないような原材料の植物が混在してないか、顕微鏡を使って確認しています。例えば、原材料に「ルイボス」と記載されている茶葉を鑑別する場合、顕微鏡で拡大した茶葉をルイボスの標本と見比べながら、判断していきます。植物の標本は5000点以上。成長段階で特徴が変わるものにも対応できるように、標本に使う植物を園内で栽培しています。
また東京薬用植物園では、法律で規制されている「ケシ」の栽培が特別に行われています。ケシからとれる「アヘン」は、鎮痛目的で用いられる医療用麻薬モルヒネの原料として利用されています。ケシが園で栽培されているのは、医学・薬学系の学生に対して研修を行うためでもあります。例年5月上旬ごろには、満開のケシの花を見ることができます。
TOPヘ戻る

東京都薬用植物園
住所:東京都小平市中島町21-1
電話:042-341-0344
HP:https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_iyaku/plant/
※最新の開園情報はHPでご確認ください