順位 |
名前 |
国名 |
TM |
AI |
合計点 |
FR結果 |
差 |
1 |
ナターリア・イシェンコ |
ロシア |
49.500 |
49.500 |
99.000 |
49.500 |
|
2 |
エマ・メングアル |
スペイン |
49.000 |
49.000 |
98.000 |
49.000 |
0.500 |
3 |
鈴木 絵美子 |
日 本 |
48.500 |
48.500 |
97.000 |
48.500 |
1.000 |
4 |
クリスティナ・ジョーンズ |
アメリカ |
47.800 |
47.900 |
95.700 |
47.850 |
1.650 |
5 |
マリーピエール・ブドローガニョン |
カナダ |
47.500 |
47.500 |
95.000 |
47.500 |
2.000 |
6 |
ベアトリチェ・アデリッツィ |
イタリア |
46.500 |
46.800 |
93.300 |
46.650 |
2.850 |
7 |
ダリア・ユシコ |
ウクライナ |
46.200 |
46.400 |
92.600 |
46.300 |
3.200 |
8 |
ナタリア・アントプル |
ギリシャ |
45.700 |
45.700 |
91.400 |
45.700 |
3.800 |
9 |
アナスタシア・グルシュコフ |
イスラエル |
45.200 |
45.200 |
90.400 |
45.200 |
4.300 |
10 |
マグダレナ・ブルナー |
スイス |
44.400 |
44.300 |
88.700 |
44.350 |
5.150 |
11 |
アポリーヌ・ドレフュス |
フランス |
44.300 |
44.300 |
88.600 |
44.300 |
5.200 |
12 |
ソナ・ベルナルドバ |
チェコ |
44.300 |
44.000 |
88.300 |
44.150 |
5.350 |
TM:テクニカルメリット AI:アーティスティックインプレッション
●フリールーティン(FR)
テクニカルルーティン(TR)において、「水上のプリマドンナ」・1位イシェンコと「情熱の艶女(アデージョ)」・2位メングアルの点差は0.700点。そして、そのメングアルと全種目メダルを狙う3位鈴木絵美子との差は0.200点。決勝のフリールーティンは、3強が1点差以内のまさに女王決定戦となった。
3強の中で最初に演技したのは、イシェンコだ。蝶のごとき華麗な動きで登場し水中に飛び込むと、立ち技→脚技→立ち技と次々と高いテクニックを披露。すべてを簡単そうにこなす様に、観客にはむしろ息を飲むような緊張感が走った。映画「パッション」から取り入れた優雅な曲が盛り上がるパートに差し掛かると、まさしく情熱的に広い水面を舞った。最後にスピンの連続が決まると、場内は感嘆のため息。テクニカルメリット(TM)は全ジャッジとも9.9点。アーティスティック・インプレッションは(AI)は、6人が9.9点。残り一人は10点満点。FRの得点は49.500点。トータル98.750点という、安全圏とも言えるハイスコアで残り2人を待つ。
続いて、念願の国際大会でのソロ初メダルを狙う日本のエース、鈴木絵美子が気合十分な表情で登場した。音楽は「トッカータとフーガ」。静かにナチュラルに入水する様は、イメージテーマである「眠りから覚めた人魚姫」を見事に想像させる。そして、さっそく世界に誇る脚技を披露し、会場は興奮に包まれる。水面に絵画を描く如く、しっとり舞いを演じると、曲はアップテンポに。ここからは脚技の連続だ。パターンが次々変わり、その中には鈴木独特の軸を傾けるスピン「絵美子スペシャル」も含み、そのレベルの高さを知るコーチ、選手らからもどよめきが起こる。最後に再びしっとりとした、しかし力強い舞いで演技を見せると、ほっとした笑みが鈴木からこぼれた。脚技だけでなく、表現力にも大きな成長が見られた。そしてジャッジの評価は、TMで6つ、AIで5つの9.7点を並べ、FRの得点48.500点。トータル96.850点で暫定2位。メダルを確定させた。
最後に登場は、ライバルのメングアルだ。余裕の表情で登場したベテランの演じる曲は「NANA」。スペイン語で子守唄だ。高い脚技、スピンを次々と繰り出し、官能的とまで言える柔軟な舞いには日本の観客からも歓声が上がる。スクリューのような軸を大きく傾けたスピンを見せるときは、最高のどよめきが起きた。得点はTMが全ジャッジ9.8点、AIも1人を除き9.8点。FRの得点は、49.000点。鈴木を引き離し、銀メダルを確定させた。
結果、金・イシェンコ、銀・メングアル、銅・鈴木。鈴木は昨年の世界水泳で悔しい4位に終わっており、今回が3大大会初、念願のソロのメダルとなった。そして今回、全種目メダルに向け、2個目のメダルを獲得したのだった。
順位 |
名前 |
国名 |
EX |
OI |
合計点 |
TR結果 |
差 |
1 |
ナターリア・イシェンコ |
ロシア |
49.200 |
49.300 |
98.500 |
49.250 |
|
2 |
エマ・メングアル |
スペイン |
48.500 |
48.600 |
97.100 |
48.550 |
0.700 |
3 |
鈴木 絵美子 |
日本 |
48.300 |
48.400 |
96.700 |
48.350 |
0.900 |
4 |
クリスティナ・ジョーンズ |
アメリカ |
47.400 |
47.500 |
94.900 |
47.450 |
1.800 |
5 |
マリーピエール・ブドローガニョン |
カナダ |
47.200 |
47.400 |
94.600 |
47.300 |
1.950 |
6 |
ベアトリチェ・アデリッツィ |
イタリア |
45.800 |
46.400 |
92.200 |
46.100 |
3.150 |
7 |
ダリア・ユシコ |
ウクライナ |
46.100 |
45.800 |
91.900 |
45.950 |
3.300 |
8 |
ナタリア・アントプル |
ギリシャ |
45.800 |
45.200 |
91.000 |
45.500 |
3.750 |
9 |
アナスタシア・グルシュコフ |
イスラエル |
45.000 |
44.800 |
89.800 |
44.900 |
4.350 |
10 |
マグダレナ・ブルナー |
スイス |
44.100 |
44.200 |
88.300 |
44.150 |
5.100 |
11 |
アポリーヌ・ドレフュス |
フランス |
43.700 |
44.400 |
88.100 |
44.050 |
5.200 |
12 |
ソナ・ベルナルドバ |
チェコ |
43.400 |
43.300 |
86.700 |
43.350 |
5.900 |
EX:エクスキューション OI:オーバーオール・インプレッション
●テクニカルルーティン
予選はメングアルが12番、イシェンコが13番、そして鈴木が18番の演技順。
まず「情熱の艶女(アデージョ)」メングアルが登場すると、会場には一気に華やかな雰囲気が漂った。曲は「アフリカンダンス」。柔軟な体を生かしたメリハリのある動きで、次々と規定技をこなしていく。スピンの軸の傾き、ぶれは時折見られたものの、エクスキューション(EX)で9.7点を5つ、オーバーオール・インプレッション(OI)で9.8点を3つ並べるなど、トータル48.550点を獲得した。
続いての演技が「水上のプリマドンナ」イシェンコだ。去年の世界水泳で銀メダルという衝撃の世界デビューを果たした彼女、すでに女王のような貫禄で威風堂々とした登場。スラリと伸びた長い手足を武器に確実にゆったりと技をこなしていく様は、まさしく優雅という言葉が当てはまる。6番目コンバインドスピン、7番目スラストスピンと続く規定のスピン技における芯の通ったような安定感など、他選手との違いは数多く明らかだった。得点は、EX、OIともにすべて9.8以上。EXの1つは10点満点ジャッジだった。トータル49.250点と、女王へ向けてまっしぐらという雰囲気だ。
そしてプレッシャーがかかったのは、我らが鈴木絵美子。しかし、ますます成長著しい日本のエースは、自信に満ちた表情だった。いきなり素早いスピンで会場を沸かせると、次々と自慢の脚技を披露。立ち技にも勢いと高さがある。そして、イシェンコにも負けず劣らずの安定感と優雅さで、技をこなした。最後の規定技、スラストスピンを高く決めると、満足の表情で演技を終えた。得点は、EXで4つ、OIで5つの9.7点を並べ、トータル48.350点。しっかりと3位をキープした。
3位鈴木と2位メンアグルの得点差は、わずか0.200点。鈴木の演技にはまだまだ余裕が感じられ、夜の決勝次第では銀メダル以上の可能性も十分にありそうだ。