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誰もが経験する腹痛。中には深刻な病気の症状として表れる“危険な腹痛”もあります。今回は長年激しいお腹の痛みに苦しめられている森三中の大島美幸さんに完全密着。大島さんの診察や検査を追跡しながら、現代人を襲うお腹の病気をリポートします。
「ご飯を食べると、必ずと言っていいほど痛みが襲ってくる。我慢できないくらいの激痛で、冷や汗が出て、全身に鳥肌が立つんです…」。そう語るのは、女性お笑いグループ「森三中」のメンバー・大島美幸さん。子供の頃から、立っていられないほどの激しい腹痛に苦しめられてきました。主に食後20〜30分後、時には突発的に痛みが起こり、排便すると治るといいます。ところが、いつもすぐに排便できるとは限りません。なかなか出てこず、仕事中に困ってしまうことも。そこで、大島さんは意を決し、病院で診察を受けることにしました。大島さんが訪れたのは、東京都文京区にある順天堂大学付属病院。医師に腹痛の症状を細かく説明した後、血液検査(血液の成分を調べることで、患者の体全体の状態を把握。特に、血液の中の糖分が異常に多くなる糖尿病などは、血液検査によって的確に発見することが可能)、エコーと呼ばれる超音波検査(主に肝臓、胆のう、すい臓のトラブルを見つけ出すことができる)を受けました。続いて内視鏡検査(胃カメラ)でも、異常は見られませんでした。大島さんは1週間後、最後の関門となる大腸内視鏡検査を待つことに…。
 1週間後、大腸検査がスタート。すると、大腸内にポリープが発見されたのです! ポリープとは、組織の隆起を意味し、悪性の場合は“がん”と診断されますが、おそらく良性のポリープだと診断されました。鑑定のため細胞を採取し、検査は終了。その結果、大島さんの腹痛の正体は「過敏性腸症候群」という病気であることがわかったのです。過敏性腸症候群とは、精神的ストレスが原因で腸の機能に支障をきたす現代病のひとつ。主な症状は下腹部の痛み、便通の異常、ガスが過剰に貯まることなど。便通のパターンによって「下痢型」「便秘型」「下痢・便秘繰り返し型」に分けられます。日本人の20%が過敏性腸症候群であるといわれ、最近若者の間で患者が急増しているといいます。大島さんの過敏性大腸炎は「下痢・便秘繰り返し型」。が、原因はストレスであるため決定的な治療法がなく、患者に対しては整腸剤や、自律神経調整剤、抗不安剤などが処方され、時には精神的なカウンセリングなどを行い、じっくり直していくのが現状なのです。大島さんには、腸の過剰な動きを押さえる整腸剤が渡されました。腹痛が起きた時、これを飲むことで、痛みを和らげることができるといいます。
 大島さんの例からもわかるように、一口に腹痛と言っても、その原因はさまざま。腹部には、胃や腸、肝臓などの消化器、腎臓や膀胱などの泌尿器、更には腹部大動脈などの血管系、神経系、腹膜など、数多くの器官があり、女性の場合は子宮や卵巣などもこれに加わります。こうした器官のどこに障害が起きても「腹痛」という症状が出るのです。腹痛を伴う病気で多いのが、胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、大腸ポリープ、いわゆる盲腸と呼ばれる急性虫垂炎など。一歩間違えると死に至る恐ろしい病気も数多いため、異常を感じたら病院で一度診察してもらいましょう。
 今回は検査についてお話したいと思います。現代では、病気を診断したり治療のために検査は大変重要な役割を果たしていますが「検査しましょう」と言われた際に,時にはよ〜く考えた方がよいことがあります。例えば心臓カテーテル検査や、番組でも紹介した大腸内視鏡検査などを受ける人は多いです。しかし、このように器具を体内に入れたりする検査というのは、当然、一定の危険性が伴います。熟練した医師が検査を行うかどうか? おこなう施設に実績があるのか?たとえ、検査といえども結果にリスクが生じることがあります。そこで、検査に関しても、インフォームド・コンセントやセカンド・オピニオンが重要になってくるのです。なぜその検査が必要で、どういう危険性を伴うのか。そして、医師がどれくらいの経験を持っているか、何か起こった場合にリカバリーできる施設であるかどうか。患者さん自身がきちんと確かめ、主体的に選ぶことが大切です。ちなみに、危険度の高い検査はいろいろありますが、詳しくは僕の書いた「これで安心!病院選びの掟111」(講談社刊)などを参考にして下さい。
(写真家/医療ジャーナリスト 伊藤隼也氏・談)
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