TOP Page
トップニュース
スマ特
セカイノニュース
ニュースベラベラ
ベラベラステーション
スマムービー
スマアニメ
ゲストトーク
スマ♪
スマメール
編集後記
スマギャラリー

投票フォーム
メールマガジン
掲示板
モバイルサイト
ご意見、投稿
最新号のTOP





久々のスマ特が迫るテーマは「医療ミス」。
第1回目は「恐るべき医療ミスからどうやって身を守るのか?」。
過去に明らかになった医療ミスの実例を紹介しつつ、その対処法を考察します。

 1万5003件――この数字は、ハイレベルな医療機関といわれる全国82の病院が、この2年間に届け出た医療事故の数。さらに驚くべきことに、事故に至る寸前のニアミス例はなんと18万6000件にものぼっているのです。
 先日も、心臓手術中のミスで女の子を死亡させたとして、東京女子医大の医師が逮捕されました。原因は、血液の流れをコントロールする機械の操作法に対する知識不足。しかも手術中に、専門技師を立ち合わせなかったというのです。挙句の果てには、ミスを覆い隠そうと隠蔽工作までしていたというから、目も当てられません。が、最近頻発している医療ミスのほとんどが、今回の事件のように低レベルな過ちに端を発しているのです。別表に挙げた例からも、そのお粗末さは一目瞭然です。この他にも、手術中に器具やガーゼを置き忘れたり、血液型を間違えて輸血したり…例を挙げればキリがありません。
 このようなミスも然ることながら、ミスを犯した医師たちが厳しく裁かれることがないという現状も、深刻な問題です。一般には、医療行為中のミスによって患者が亡くなった場合、業務上過失致死として処罰されます。が、その刑は最高でも5年の懲役、50万円以下の罰金で済んでしまうのです。点滴に誤って消毒液を入れ、患者を死亡させてしまった都立広尾病院のケースでは、点滴を扱った看護婦に禁固1年、執行猶予3年。この医療事故死を警察に報告しなかった主治医に至っては、医師法違反で罰金はたったの2万円でした。さらに、明らかな医療ミスによって患者が亡くなっても、医者が医師免許を剥奪されたケースは、今まで一度もないというのです。このような理不尽な裁きの中、繰り返される医療ミスに対して、私たちは泣き寝入りするほかないのでしょうか? 医療事故の被害者を支援・救済している医療事故調査会の代表、森功医師に、医療ミスを未然に防ぐ方法を尋ねました。そこで提示された方法とは――。
 最大の予防策は「自衛」。その第一歩として、自分の病気について詳しく知ることが大切だといいます。まずは病名と症状、どんな治療を行うのかを徹底的に医者から説明してもらう“インフォームド・コンセント”をキッチリ行います。そして自分のノートを作って、注射する薬の名前とその量など、細かい情報を随時書き込んでいくのです。主治医の指示に納得がいかない場合は、他の病院へ行き、別の医師に診察してもらいます(セカンド・オピニオン)。「乳房を全部切り取る」と言われた乳がん患者が、別の医者にセカンド・オピニオンを求めた結果、小さな傷しか残らない手術で済んだという例もあるのです。
 患者の意識の持ちようで、防げる事故もたくさんあります。が、手術ミスのように密室で起こる事故など、患者レベルでは防ぎきれないものがあるのも事実。では医療ミスを完全に防ぐ打開策はないのでしょうか?(次回へ続く)

<過去の医療ミス例>
'99年1月 引継ぎミス 看護婦の引継ぎミスから2人の患者が取り違えられ、心臓病の患者に肺の手術が、肺病の患者には心臓の手術が行われた。ミスが発覚したのは手術後。不審に思った医師が患者本人に名前を聞いてようやく、取り違えに気づいた。
'99年7月 診察の不徹底 割り箸がノドに刺さった4歳の子供が、救急車で病院に運ばれたが、医者は「入院の必要はない」と判断。レントゲンも撮らず応急処置だけをして家に返したところ、翌日児童が急死。解剖の結果、刺さった割り箸が脳にまで達していたという。
'00年5月 投薬判断ミス 精神科に入院していた女子中学生が死亡。彼女には強い薬が投与されており、副作用の症状が出ていたが、主治医は投薬を続けた。しかも、主治医はもともと精神科の専門医ではなく、外科医だった。
'00年12月 処方箋の入力ミス コンピューターで薬の処方箋を出そうとした医師が、「サクシゾン」という肺炎の治療薬を選ぶはずが、呼吸を止めてしまう危険性のある劇薬「サクシン」の名前をクリック。それを投与された患者は一週間後に死亡。

Copyright(C)2002
TV-ASAHI
All Rights Reserved.