スマデータ投票
モバイルサイト
メールマガジン
ケイジバン
番組へのご意見
最新号のTOP

ワイン、絵画、文学、そして映画…文化や歴史、芸術などに造詣が深いことでも知られるSMAP・稲垣吾郎を迎えての月イチ新企画が「Smaムービー」の新企画「月イチゴロー イナガキベスト5」。毎回、香取編集長がセレクトした“見てみたい映画”を、稲垣さんが独自の視点からランキングしていきます!
先日行われたアカデミー賞を賑わせた「ロスト・イン・トランスレーション」(監督=ソフィア・コッポラ)が遂に4/17から公開されます。これは日本好きで知られるS・コッポラ監督が東京を舞台に描いた、ハリウッドのベテラン俳優(ビル・マーレイ)と若い人妻(スカーレット・ヨハンソン)とのラブストーリー。外国人女性監督の視点から捉えた東京は、美しく憂いに満ちたものに。
これは気持ちよく酔いしれることが出来る映画。ソフィア・コッポラは凄く優しい人なんじゃないかな。主演のスカーレット・ヨハンセンは、ここ2〜3年の中でNO.1の映画「真珠の耳飾りの少女」も最高だったけど、一押しです。ワインで言えば、サンテミリオンの「シャトー・シュヴァルブラン」1973年。僕の生まれた年です。僕のように飲み口はソフトだけど余韻がいつまでも残る。
配給:東北新社
全編通して精密な3DによるCGアニメ大作「アップルシード」(原作=士郎正宗、監督=荒牧伸志)。全世界公開される前に続編の製作が決まった異例の話題作です。プロデューサーは「タイタニック」のCGアニメーターや「ピンポン」の監督を務めた曽利文彦。音楽には坂本龍一。美しい映像や音楽にのせ、非核大戦集結後の未来で生きる人類の姿、愛の物語が描かれます。
(同じ士郎正宗さん原作の)「攻殻機動隊」も好きだったんで、期待していましたが、よりパワーアップしててよかったです。武器がレーザーじゃなくて、弾薬で、薬莢が飛ぶのもよかった。「ダーティー・ハリー」好きなので(笑)。アニメを拒絶してた方でも見れると思います。ワインに例えると、ニューワールド系。ニュージーランド、チリワインのような斬新な感じですね。
配給:東宝
誰でも知っているお伽話を実写化した「ピーター・パン」(監督=P.J.ホーガン)。4/17から公開の本作ではピーター(ジェレミー・サンプター)とウェンディー(レイチェル・ウッド)の永遠の初恋物語をフィーチャーしています。役のピーター同様15歳のジェレミーは、アメリカでも人気の将来有望株。絵本の世界を膨らませて焼き付けたような幻想的映像も◎
子どものころ本で知った話が、現代の技術を駆使して素晴らしい映像で甦った作品。子どものころに見てみたかったですね。きっと、いま見るのと違った感覚なのでは? 慎吾は…泣くんじゃないかな。ワインに例えると「ボジョレ・ヌーボー」。熟成させない新酒が、大人になれないピーター・パンのイメージなので。
配給:ソニー・ピクチャーズエンターテインメント
'70年代に話題となったアニメを、宇多田ヒカルの夫で演出家の紀里谷和明が実写映画化した「CASSHERN」。宇多田が主題歌「誰かの願いが叶うころ」を歌うという、夫婦コラボでも公開前から話題を集めました。物語は戦争によって荒廃した世界で“新造人間”として蘇ったキャシャーン=東鉄也(伊勢谷友介)が展開する壮絶な戦い。ほか出演は唐沢寿明ら。制作費6億円を投入した世界は圧巻!
ハリウッド映画なのかな、って思うくらいお金がかかってる映画。勇気ありますよね。及川さんがいいですよ。ちょっとしびれちゃいました。寺尾さんの声もいいですね。これは、「新造」ということにひっかけて…本当はひっかけるっていう言葉は嫌いなんですけど…ハート(心臓)のラベルで親しまれている「シャトー・カロンセギュール」ですね。
配給:松竹
昨年公開されるや、話題を呼んだ「キル・ビル」(監督=クエンティン・タランティーノ)。元殺し屋のザ・ブライド(ユマ・サーマン)が、お腹の中の娘を殺した暗殺組織のボスであるビル(デヴィッド・キャラダイン)への復讐の旅に、いよいよ終止符を打ちます。後編では、ザ・ブライドが娘が生きているという事実を知ることに。果たして、その先に待ち受けているものとは…?
復讐劇ですよね。僕の中に「復讐」という言葉はないんですよ。気持ちはわかりますけどね。タランティーノ好きにはたまらない映画でしょう。慎吾にはピッタリなんじゃないかな? 僕の中のマゾヒスティックな部分をくすぐる映画。ユマ・サーマンもいいですね。ワインで言うと、他にない映画、という意味で貴腐ワイン。個性的な感じが合うと思う。
配給:ギャガ/ヒュ−マックス
――第1回収録を終えたわけですが、いかがでしたか?
 そうだなぁ…なんか、よくしゃべったな、っていう感じです(笑)。

――吾郎さんご自身がまず5本の映画を見て、それから収録という流れですから、大変だったのでは?
 そうですね。とりあえず、映画を渡されてからしゃべるまで、結構時間がかかるんで、忘れちゃうんですよね。なるべく、収録の近辺…2日前くらいでバーッと見たいな、と思っていたんですけど、中には随分前に見た作品もあったので、思い出しながらしゃべるのは大変でしたけど…。

――とはいえ、収録の前日に10時間かけて見る、というわけにもいかないですしね。
 そうなんですよ。そういう勢いでやった方がもしかしたらいいのかもしれないけど、現実的には無理ですからね。まあ、オススメするのはいいですけど、あまり否定はしたくないんでね、僕も、評論家ではなく作る側の人間なので、そういう人たちの気持ちもわかるし…。だから、いろんな作り手と、お客さんの間に立って、いい潤滑油になれればいいかな、と。勝手にお邪魔してね(笑)。

――映画についての吾郎さんの言葉は、新鮮でした。
 なんかさ、映画評論っていうとあんまりいいイメージがなくて…。評論って難しいし、必要だとも思うけど、言葉とか文章って化けちゃうこともあるからね。先入観を与えてしまったりとか…。そういう意味では、僕がオススメすることによって、見に行こうというきっかけになってくれればいいと思うし、大きく言うと、そういうことが作り手にも刺激になって、映画文化の向上につながっていけば、一映画ファンとして光栄ですね。

――今回の5作品のセレクトに関してはいかがですか?
 統一感はまったくなかったですね(笑)。でも、だから面白いんじゃないかなぁ。比べるものじゃないから、順位をつけるもの難しいし…。

――普段だったら見に行かない作品もあったのでは?
 いかない、いかない(笑)。例えば「ピーターパン」とかも自分では見に行かないと思う。だけど、普段なら行かないけど、この企画で見させられることによって新しい発見があったわけだから、そういった意味では面白い仕事ですよね。だって、映画なんて、普通は見たいものしか見ないじゃないですか。時間も限られてくるしね。だから、自分のキャパが広がった感じもするし、ダイレクトにためになったのは確かですね。

――ワインに例えるのも興味深かったですね。
 ちょっとこじつけですけどね(笑)。まあ、ウソを言ってるわけじゃないし、イメージ的なつながりみたいなものはちゃんとあるんで…。あくまでも例えですからね。ワインも喜んでくれるんじゃないかな(笑)。

――逆に、ワインを言葉で表す時、いろんなものに例えるわけですしね。
 そう。映画で言うと…みたいな表現方法もあるからね。そういう言葉遊びって、凄い面白いことだと思う。知恵を持った人間にしか出来ないことだし、いいんじゃないかな、って思いますね。今後どうするかは、また考えなきゃいけないけど…。

――お話の中で「ガンダム・チルドレン」「デビッド・ボウイ好き」というような、吾郎さんご自身のキーワードもたくさん出ていましたね。
 そうですね(笑)。でも、好きなものは好きですからね。好きなものがないと、引っかけるのも難しいし。やっぱり、僕の言葉で語る以上、そういうものが出てくるのは必然でしょうから、その辺も期待していただきたいですね。僕自身、いろんなものをこのSmaSTATION-3に加えていけたら、って思ってるし…。この番組って、いろんなものの集合体じゃないですか。ヘンな言い方すると、何でもあり、みたいな(笑)。だから、番組に合わせる、というより、自分の個性を出して、それを楽しんで貰えればいいのかな、って思ってます。伸び伸びと、自然体でやらせて貰うことが一番大切だし、僕にはそれしか出来ないから…。

――香取編集長がジブリ派だというのは有名ですけど、どちらかというとハリウッド系の映画が好きな印象もあるんですが…。
 そうでもないみたいですよ。彼はやっぱり本当の映画ファンだから、世間の人が抱く彼のイメージにつなげては語りきれないと思う。彼の趣味は深いので、意外とそういったもの以外も好きだったりするし…。見せていない部分、というのはたくさんあるんですよ。僕だって、ワイン好きだ何だと言われるけど、実は日本酒にも興味があるし(笑)。だから、彼のパブリックイメージに引き出されていないものを、メンバーの手によって引き出すことが出来れば、またそれはそれでいいことなのかな、とも思うし、彼のファンも喜ぶのかな、と思います。それが、メンバーという存在なんだとも思いますから。

――香取編集長が、吾郎さんのコメントをどう受け止めるのかも楽しみですね。
 まあそれはね、番組上、いろいろとツッコんだりして、っていう世界が繰り広げられるとは思いますけど(笑)。ただ、僕も本気でやっているんで、本心で受け止めてくれるところもあると思うし…。これは、メンバー同士の対話ですから。こういう場を借りて、意志を通じ合う、というもの面白いかな(笑)。

――面と向かって言うのではなく、VTRを通じて会話をしている、と…。
 そうそう。面と向かっては言えないこともありますからね。

――次回も楽しみです・
 そうですか。ありがとうございます。いや、結構一杯一杯だったんで(笑)。
(総合演出の)タカハタさんは編集が非常に上手い方なんで、それを信じて、散らかすだけ散らかした感じですけど…。生だったらここまで出来なかったでしょうしね。これからもスタッフとの信頼関係を築いて、頑張ります!
Copyright(C)2003
TV-ASAHI
All Rights Reserved.