埼玉・秩父市
~ペルー大好き!小さな居酒屋~

舞台は埼玉県秩父市。マチュピチュに魅せられ、ペルー気分を味わえる居酒屋を開いた浅見弘美さん(64歳)と「秩父夜祭」が大好きな夫・和義さん(64歳)が主人公です。新潟県出身の弘美さんは東京音楽大学を卒業し、埼玉県で中学校の音楽教員になりました。和義さんとは大学時代に知り合い23歳で結婚。子育てをしながら教員を続けていました。子供たちが手を離れた40代後半、夫婦で海外旅行を計画しペルーを訪れます。新婚旅行以来の海外2人旅、この旅行が弘美さんの人生を大きく変えるきっかけになりました。初めて見た古代インカ帝国の空中都市「マチュピチュ遺跡」に感嘆し、出会う人たちの温かさにふれ、弘美さんは「初めて訪れた国なのに、どこか懐かしく愛おしい国。帰りたくない」と思いました。その後毎年、ペルーを旅行するようになり、次第に普通の旅行では満足出来なくなった弘美さんは、スペイン語を学ぶため1カ月滞在するなど10年間ペルーに足を運びます。そして、ペルーで暮らしたいと考えるようになり、「得意な料理の腕を生かして、ペルーで飲食店を開こう!」と決意したのです。それを聞いた夫・和義さんは「生まれ育った秩父を離れたくない!」と反対し、長女・祐衣さんも「私が子供を産む時に居ないと困る!」と、弘美さんを引き止めました。そこで弘美さんは「それなら、自宅をペルーにしよう!ここでペルーを感じる飲食店を始めよう!」と発想を転換。店の入口横にチョークアートでマチュピチュを描くなど、自宅一部を改装し2019年『小さな居酒屋 和インカ』をオープンしました。
ペルーが大好きな弘美さんの拘りが詰まった『小さな居酒屋 和インカ』。そこに集まる常連客や仲間たちとのふれあいや、和義さんが毎年熱く燃える秩父夜祭の模様を交え、情熱的な夫婦の暮らしぶりを紹介します。



『和インカ』は弘美さんが作る和食とペルー料理が味わえる小さな居酒屋。この日は、夫・和義さんの祭り仲間が来店。和義さんも一緒に「サルー!」とビールで乾杯です。料理は、牛の内臓とジャガイモをアヒアマリージョという黄色い唐辛子のペーストで煮込んだペルーの家庭料理「カウカウ」。和食は「牛のタタキ」でワサビをつけていただきます。さらに、ペルーをはじめ中南米でよく食べられている魚介のマリネ「セビーチェ」。パクチーとレモンが効いた一品。弘美さん自慢の手料理で、お酒が進みます!



「和インカ」はランチ営業もやっています。ペルー料理と和食3品に、なんと!弘美さん手打ちのお蕎麦も付いているんです!弘美さんは元々蕎麦好きで「ペルーでお店を出すなら蕎麦も出したい!」と考え、蕎麦愛好家が集まる地元の蕎麦道場で腕を磨きました。北海道産の蕎麦粉を使った幅1.2ミリの端正な二八蕎麦です。この日は蕎麦道場の同志が来店しました。みなさん「最高に美味しい!」と絶賛してくれました。



「秩父神社例大祭・秩父夜祭」の当日。先頭を行くのは和義さんも参加する「中近傘鉾」。法被の襟元に記された「一番組」が、その特権の証。和義さんも気合が入っています。傘鉾に乗り扇子を持つ囃子手は一生に一度と言われる大役。和義さんも33歳の時に囃子手を務めました。祭りのクライマックスは、難所中の難所、急勾配の団子坂の曳き上げです。笠鉾の重さは15トン!曳き手も見ている観光客も力が入ります。秩父神社の女神と山の竜神が出会うという一夜。江戸時代から変わらぬ賑わいを見せる「秩父夜祭」は、秩父の人たちの心の拠り所。過行く年に感謝して、翌年の無病息災を願います。



弘美さん、ペルー料理の試作です。炒めたひき肉とゆで卵をマッシュポテトで包んで揚げるペルーの家庭料理「パパ・レジェーナ」。長女・祐衣さんも一緒に試食です。以前試作した時は揚げの最中に爆発しちゃったそうですが、今回は成功しました!和義さんと祐衣さんも「美味しい!」と好評でした。『和インカ』の新メニューに追加できそうです。ペルーでお店を開くという弘美さんの夢は叶いませんでしたが、今は自宅で始めた『和インカ』が弘美さんのペルーです!ペルー好き、祭り好き、これからもお2人の“好き”が溢れた秩父で、楽しく充実した毎日を過ごしてください。応援しています!




和インカ
弘美さんが営む小さな居酒屋です。
ペルーを感じながらペルー料理と和食が味わえます。
営業時間 昼営業:午前11時半~午後2時
夜営業:ご希望時間~午後10時
※昼、夜ともに完全予約制です。
不定休
ランチタイム:和インカセット 1,200円
豚みそ丼セット 1,200円
居酒屋タイム:おまかせセット 2,300円~