静岡・伊豆市
~夫婦の夢いっぱい8坪カフェ~

舞台は静岡県伊豆市。4年前にエンジニアを辞め、自宅の庭で小さなカフェを始めた加藤一徳さん(61歳)と妻のしのぶさん(59歳)が主人公です。新潟県上越市(旧柿崎町)出身の一徳さんは大学卒業後、伊豆にある電子機器メーカーにエンジニアとして就職。そこで伊豆市(旧修善寺町)出身のしのぶさんと知り合い28歳で結婚。料理が趣味だった一徳さんは念願のマイホームを構えると、いろんな人を呼びたいとホームパーティーを計画します。地元にあったプライベートワイン会の皆さんに声をかけ、手作りの料理でもてなし楽しんでいました。しかし仕事が忙しくなりワイン会もなかなか開けずにいる中、一徳さんは43歳の時に体調を崩してしまいます。「このままでいいのか」と、自問自答を繰り返す日々。妻・しのぶさんに相談し、早期退職を決断しました。そして思い出したのがワイン会で料理を振る舞ったときの楽しさ。一徳さんはキッチンカーや居ぬき物件など、カフェを始める方法を検討。最終的には自宅の庭に店舗を建てるのが一番だと判断します。完成した8坪の店舗をみるうちに、しのぶさんも手伝うことを決め、2022年4月『じょんのびカフェ』はオープンしました。自宅の庭に可愛い8坪のカフェを建て、日々楽しく切り盛りする素敵なご夫婦、一徳さんとしのぶさん。仲間との笑顔輝く日常を紹介します。



『じょんのび』とは、一徳さんの故郷・新潟の方言で「ゆったり、のんびり」という意味。お客さまに「じょんのび」してもらいたいという意味が込められています。伊豆市の食材を極力使ったメニューを心掛けており、一番人気は一徳さん渾身のパスタ「ごろごろ鹿肉のボロネーゼ」。ゴロっとした鹿肉から旨味が染み出ます。しのぶさんが作る地元野菜オンパレードのサラダも好評です。



8坪の店内、カフェの厨房はコンパクトで、ご夫婦がすれ違うのがやっと。役割を分担し、動きがカチ合わないように料理を進めます。出来立てを提供したいのでサラダとタイミングを合わせ、しのぶさんが配膳に動けば、一徳さんがターンしてかわします。夫婦のナイスコンビネーション!コーヒーは自家焙煎し、元エンジニアの一徳さんが豆の種類によってベストな湯温と抽出時間をデータ化して淹れるという自慢の味です。



伊豆市は食材の宝庫。ご夫婦は「ヤマモトフードセンター」で地元野菜の仕入れです。こちらの店長は「こんな良いもの入っているよ」と教えてくれるそう。メインの買い物はボロネーゼ用のシカ肉。シカやイノシシなどのジビエが冷凍コーナーにズラリと並んでいるのも伊豆市の魅力です。さらに沼津市にある「アキシン商店」では今が旬のヒゲナガエビを仕入れます。店主は店先で料理を作り、「こんな風に食べるとおいしいよ」と教えてくれます。



この日、一徳さんとしのぶさんが腕によりをかけて料理を作り、自宅にカフェの常連さんたちお招きしました。『じょんのびカフェ』の原点ともいえるワイン会です。この会が始まったのは26年前。この時の楽しかった思い出が忘れられず、一徳さんはカフェを開きたいという夢を持つようになりました。ワイン会で仲間の輪を広げていきたいご夫婦。これからも“じょんのび”と楽しく暮らしていってください。




じょんのびCafe
加藤一徳さん・しのぶさんが営むカフェ。
地元産のパスタが絶品です!
営業時間 午前11時~午後5時
定休日 月曜・火曜日
※詳しくはホームページをご覧ください。
ごろごろ鹿肉のボロネーゼ 1,950円(地元野菜のサラダ付き)
地物エビの塩レモンクリームパスタ 1,650円(地元野菜のサラダ付き)
自家焙煎珈琲 600円~