ことばのアレコレ

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  • SHUNSUKE SHIMIZU

2018/12/13フィギュアスケートの回転数

紀平梨花選手の優勝に沸いたフィギュアスケートグランプリファイナル。

僕は2005年からフィギュアスケートを実況しています。
この15年ほど、日本人選手の活躍によって日本でフィギュアスケート用語も広まってきました。

今回はジャンプの回転数の表現の話です。

1回転するルッツは「シングルルッツ」、
2回転するループは「ダブルループ」、
3回転するフリップは「トリプルフリップ」ですよね?

では4回転するサルコウは、放送で何と言っているか。

「4回転サルコウ」      です。

そのままやん、というツッコミが成立しますね。

「3」までは英語なのに、「4」は日本語。よく考えると、おかしい。

英語で言うと、4回転サルコウは「クワッドサルコウ」です。

ただ、トリプルという言葉は日本でも聞きなじみがあるし、トリプル=「3」とすぐ分かりますが、
クワッドという言葉には聞きなじみがなく、クワッド=「4」とは、すぐに思い浮かびません。

だから我々は、「4回転サルコウ」という表現をしています。

スポーツ中継の中には他にも、
「統一性がなくておかしいのは承知の上で分かりやすさを追求した結果の表現」があります。

例えばゴルフ。
「-5」は「ファイブアンダー」、「-9」は「ナインアンダー」ですが、
「-12」は「12アンダー(じゅうにアンダー)」です。

10までの数字は英語でもすんなり入ってきますが、「トゥエルブアンダー」と言われると、一瞬頭の中で整理が必要ですよね。
かと言って、「-5」を「ごアンダー」と言うのもしっくりきません。

「10まで英語で11から急に日本語かい!」というツッコミが入るのは承知の上です。

ツッコミを入れながらスポーツ中継を観てみると、結構面白いですよ。

担当アナウンサー